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ところでベン・アフレックのバットマンって、どう?

ところでベン・アフレックのバットマンって、どう?

平沢 薫

映画ライター、編集者。仕事のためと思って始めたハリウッド・ニュース・ウォッチが気づけば趣味のひとつに?

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「300」のザック・スナイダー監督が新たにスーパーマンを描く「マン・オブ・スティール」が8/30(金)日本公開。その続編に登場するバットマンが、「アルゴ」のベン・アフレックに決定。さっそくファンが作ったベン・アフレックが登場する予告編もアップされた。

ファン製「マン・オブ・スティール2」予告編
http://www.youtube.com/watch?v=U4U4he3GgC4

 で、このキャスティングが是か非かを巡ってネットは盛り上がっているところ。たしかに最初は「え~っ?」と思ったが、冷静になると、この理由にはちょっと思い当たることがある。

 ベン・アフレックといえば、最近は「アルゴ」「ザ・タウン」でのメジャー映画の監督としての活躍が目覚しいが、以前からアメコミとは接点があった。

 おそらく、アフレックにアメコミを手ほどきしたのは、ケヴィン・スミス監督。アフレックはこの監督の「モールラッツ」(95)に出演して友人になり、「チェイシング・エイミー」(97)にコミック作家役で主演、「ドグマ」(99)には親友マット・デイモンと出演しているのだが、この監督は重度のアメコミ・オタクなのだ。

 で、そのオタク監督の薦めで、アフレックがマーベル・コミックのスーパーヒーローを演じたのが「デアデビル」(03)。彼はこの映画で全身赤色タイツで悪を討つ盲目のヒーロー、デアデビルを演じている。

 それだけじゃなく、彼の実生活の妻はこの「デアデビル」でスーパー・ヒロイン、エレクトラを演じたジェニファー・ガーナー。ってことは本作は彼の人生に大きな影響を与えた作品とも言えるのかも? 余談だが、本作で彼の相棒役を演じたのは後に「アイアンマン」を監督するジョン・ファヴローだった。

 そしてもう1作、彼がアメコミと接点を持ったのは「ハリウッドランド」(06)。TV番組のスーパーマン役で人気者になるが自殺した俳優ジョージ・リーブスの伝記映画だ。アフレックはこのスーパーヒーロー役者を演じているのだが、その陰鬱さが尋常ではない。それまで「アルマゲドン」(98)や「パール・ハーバー」(01)などのメジャー映画で二枚目を演じてもなんだかピンとこなかったアフレックが、この主人公の鬱屈を異様な迫力で演じてみせるのだ。


 こんな経歴を考えると、アフレックは、映画業界から評価される映画人でありながら、オタクじゃないのにアメコミをある程度理解している、というめずらしい人物なんじゃないだろうか。

 加えて、今度のバットマンは、アフレックが演じたデアデビルとジョージ・リーブスのイメージが重ねて描かれるんだったりして---などと、妄想を膨らませるのも楽しい。

 確かに「デアデビル」の敏捷さには問題があったかもしれないが、今度のバットマンは"すでに若くない"という設定みたいだから、その点は気にならないかもw



映画「ハリウッドランド」予告篇
http://www.youtube.com/watch?v=iZvDDWQfgFA

映画「デアデビル」予告編
http://www.youtube.com/watch?v=QNx6-CXoyHI