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「サンドマン」映画化企画がまたスタートしたが
ハリウッド・ニュース補完計画
「サンドマン」映画化企画がまたスタートしたが
映画ライター、編集者。仕事のためと思って始めたハリウッド・ニュース・ウォッチが気づけば趣味のひとつに?
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「ダークナイト」シリーズ、「マン・オブ・スティール」シリーズの原案&脚本で知られるデヴィッド・ゴイヤーが、人気作家ニール・ゲイマンの名作コミック「サンドマン」の映画化を企画。その企画にワーナー・ブラザースが興味を示しているとの噂が浮上。さらに出演候補には「LOOPER/ルーパー」「ダークナイト ライジング」のジョセフ・ゴードン・レヴィットの名前が挙がっているという。
実はこのニール・ゲイマンの「サンドマン」は大昔から映画化企画があるのだが、実現したことがない。
このコミックは、サンドマン=眠りの精が下敷きのB級アメコミだった「サンドマン」をニール・ゲイマンが思いっきり文学的にリブートした作品。「夢」「死」「運命」「欲望」といった概念を擬人化し、兄弟として設定。彼らと人間たちの関わりによって起こる出来事を、あるときは神話や古典文学の要素を取り込み、あるときはB級アメコミキャラやシリアルキラーを主人公に描く、ユニークなシリーズ。シリーズ中の1作、「真夏の夜の夢」はコミックとしては異例の世界幻想文学大賞を受賞。日本でも5巻まで翻訳版が刊行されている。が、そんな内容からも推測されるように、誰でも映像かできるとはいえない作品だ。
一方、デビッド・ゴイヤーといえば、アメコミに造詣が深く、ごくに「ダークナイト」シリーズへの貢献は誰もが認めるところだが、彼自身の監督作というと「アンボーン」(08)、「臨死」(07)、「ブレイド3」(04)となんだかピンとこない人。なので、この人が監督するといっても一概に喜べないところもある。
とりあえず、個人的にナシだという思うのは、ジョセフ・ゴードン・レヴィットの「夢」役。「夢」は原作では、眠りの国の誇り高き支配者で、姉の「死」とは大の仲良し。どこまでも文学系、貧血系のキャラなのだ。レヴィットじゃ健康的過ぎ。やっぱり長身かつ痩身の英国俳優あたりをキャスティングしてもらわないと。
映画化は歓迎なんだが、この布陣はなんとかしてほしい「サンドマン」映画化企画なのだ。
Sandoman:Vertigo
http://www.vertigocomics.com/sandman
DCコミックのVertigoレーベルから発売。表紙だけでも雰囲気が味わえる。翻訳版は中古しかなさそう