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祝「スノウ・クラッシュ」映画化始動!この監督ならひょっとして

祝「スノウ・クラッシュ」映画化始動!この監督ならひょっとして

平沢 薫

映画ライター、編集者。仕事のためと思って始めたハリウッド・ニュース・ウォッチが気づけば趣味のひとつに?

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 ニール・スティーヴンスンの人気SF小説「スノウ・クラッシュ」の映画化企画が始動。監督がUK産SFコメディ「アタック・ザ・ブロック」のジョー・コーニッシュになったというニュースが流れたが、このチョイスはかなりナイスかもしれない。

 というのも、この原作小説、ジャンルでいえばサイバーパンクなのだが、一般にイメージされてるサイバーパンクとはちょーっとテイストが違うのだ。

 一般的にサイバーパンクのイメージが80年代テイストなのは、サイバーパンクの始祖であるウィリアム・ギブスンの「ニューロマンサー」が84年刊行で、当時の雰囲気が反映されていたからだろう。が、この「スノウ・クラッシュ」の刊行は92年。なので、内容が90年代版にアップデートされていて、主人公はオヤジではなく10代の少年少女。世界も、従来のような雨の降るハードボイルド世界ではなく、晴天のドライなギャグとスケートボードの世界。ハッカー稼業の少年少女が、サイバーな街をスケボーで疾走するのが超クールなのだ。

 そう、キーワードは"スケボー"。「スノウ・クラッシュ」の魅力は、「スケートボードは、どんな最新型マシンよりも速い」という世界を描いたことにある。スケボー少年がスポーツカーたちの隙間をぬって先に行く。ハイウェイよりも抜け道を通ったほうが目的地に先に着く。読者はその世界観にシビレたのだ。

 そこのところを、「アタック・ザ・ブロック」の監督、ジョー・コーニッシュなら、わかってくれるんじゃなかろうか。なにしろ「アタック〜」の製作者のひとりは、「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」「ショーン・オブ・ザ・デッド」のエドガー・ライト監督。あの一味なら「スノウ・クラッシュ」のクールさが分かるはず。

 そもそも「アタック〜」は、南ロンドンのしょーもない十代たちの少年たちがエイリアンを撃退するはめになるって話w この少年たちは低所得者用団地住まいなので、遊び場はもちろんストリート。この世界は「スノウ・クラッシュ」と繋がってる。

 しかもこの監督、SFオタクでコミックオタクにちがいない、映画に出てくる通りの名前がみんなSF作家やコミック作家の名前なんだからw この監督なら、ひょっとして原作ファンも納得の「スノウ・クラッシュ」を撮ってくれるかも?


「アタック・ザ・ブロック」日本版オフィシャルサイト
http://attacktheblock.jp/