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「ホビットの冒険」は結局、この人が候補だが...

「ホビットの冒険」は結局、この人が候補だが...

平沢 薫

映画ライター、編集者。仕事のためと思って始めたハリウッド・ニュース・ウォッチが気づけば趣味のひとつに?

当ブログ「ハリウッド・ニュース補完計画」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/hirasawakaoru/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 映画ライター仕事の必要上ウォッチしている--というつもりだったハリウッドニュースだが、ふと気づけば、「これってもう仕事っていうより趣味なのかも?」「それならもうちょっと個人的な見方で紹介するのもアリ?」そんなところから、始まるのがこのブログ。実はあなたも気になってませんか、このネタ?


 そう、今、気になるネタといえば、「ロード・オブ・ザ・リング」三部作の前の物語を描く「ホビットの冒険」の監督。この席が今、空いている。

 いや、監督は2年も前に決まってた。「ロード~」三部作の監督ピーター・ジャクソンが製作と共同脚本、「パンズ・ラビリンス」「ヘルボーイ」のギレルモ・デル・トロが監督という納得のコンビで製作準備が着々と進んでいたのだ。
 
 が、MGMの経営難からゴーサインが遅れ、この5月末にデル・トロが降板。その後、さまざまな監督の名が噂になったが、約1ヶ月後の6月25日、なんと、スタジオがピーター・ジャクソンに監督をオファーしているというニュースが流れたのだ。

 ちなみにその前に監督の噂になったのは、「ライラの冒険/黄金の羅針盤」「ニュームーン/トワイライト・サーガ」のクリス・ワイツ、「ハリー・ポッター」シリーズの最終作の撮影を終えたばかりのデビッド・イエーツ、そしてジャクソンが製作した「第9地区」で一躍ハリウッドの人気監督になったニール・ブロンカンプら。みな納得の顔ぶれだが、全員が即座に噂を否定。まあ、この否定のニュースに映画ファンは胸をなで下ろしたわけだが、その直後に流れたのが、ジャクソンが監督をオファーされたというニュースだったのだ。

 ネットの反応を見る限り、このニュースを喜んでいるファンは多い。が、果たしてどうなんだろう。ジャクソンの「ロード・オブ・ザ・リング」は確かに名作だったが、その原作「指輪物語」は大人向け。一方、「ホビットの冒険」の原作は児童書で、まったく雰囲気が違う。ホビットとドワーフたちがドラゴンを退治して宝を手に入れるという、いわばファミリー向けアドベンチャーなのだ。それを「ロード~」のタッチで映画化するのはちょっと違うだろう。そもそもジャクソンがデル・トロを監督に据えたのも、同じタッチでの映画化を避けるためだったはず。ジャクソン自身が別のタッチで映画化するという手もなくはないのだが...。そのうえ、ジャクソン監督はスピルバーグと一緒に「タンタンの冒険」三部作を交互に監督してる最中だしなあ。

 ニュースから2週間以上経った7月12日現在、まだ監督は正式発表されていない。あっさり決まっていない以上、一波乱ありなのか。今後の動きが楽しみではある。

 個人的にはこの映画の監督は、デル・トロがぴったりだったんだけど、彼が降りたなら「9<ナイン>~9番目の奇妙な人形~」のシェーン・アッカー監督がオススメ。この人、実写は初めてだが、「9~」のタッチで「ホビットの冒険」を描くのはアリだ。「ロード~」のVFXにも参加してたし、どうですか?>ピーター・ジャクソン様。