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ブレストする方法を作る日々

ブレストする方法を作る日々

石井 力重

アイデアプラント 代表。著書に『アイデア・スイッチ』。専門領域は「創造工学」。クリエイティブ・リーダを助ける道具を作っています。

当ブログ「力重の「ブレインストーミング考」」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/ishiirikie/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


アイデアプラントは、いろんなクライアントのためのアイデアワークを設計します。
業種ごと、職種ごとに、(本質は似ていても)アイデア出しは違います。
接する情報、組織内でのアイデアの取り扱い、アウトプットとしてアイデアの生のままでいいのかどうか、などで大きく変わります。
 
古今東西の優れた発想技法を調べ、達人にトレーニングをしてもらったり、インタビューをさせてもらう中で「発想という作業の本質」はとてもよく似ているのだと、毎回、感じます。しかし、短時間で使うには、その用途ごとにカスタマイズされていたほうがいいのも確かで、いろんな「発想技法」があるのも、意味あることだと思います。
 
さて、そんななかでアイデアプラントは、ブレストをする人たちがどうすると、うまくいきやすくなるか、を朝から晩まで考えています。
 
昨日は、高校の美術コースで、アイデア創出の技法を提供してきました。今日は、ある精密機器メーカさんの新人研修の一環で20年後の新製品を発想する手法を提供してきました。来週は、京都精華大学で、漫画ストーリー学部の学生さんへのお話のプロットを大量に作り出すアイデアワークショップを行います。
 
それぞれに、発想の技法は、大きく違います。
 
その辺について、自己観察して「どうやって、ブレスとする方法を作っているのか」をすこしまとめてみたいと思います。普段私がしている一人ブレストは「ブレストの適切なやり方を考え出す」というものなんですが、それを記録してみようと思います。
  
最後に少しだけ、早速ですが、自己観察メモを、そのまま載せてみます。

 
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今晩していた一人ブレスト:

iPhoneアプリの勉強会によばれて、アプリのアイデア創出をすることに。
アプリのアイデアを考え出すときに、人はどういうことをするべきか。
まずは、自分がたくさん、iPhoneアプリのアイデアを考え出すことからはじめる。
 
1)情報収集、仮説を立てる
昨日の勉強会では、iPhoneアプリ開発の達人が来て、そのノウハウをお話された。
私には、ユーザの体験を良いものにする、という観点で、アプリのアイデアが創出されやすい気がした。
そこで、朝起きてから寝るまでのことを、頭の中で再現して、そこに登場する動詞をかきとめたらいいのでは?
動詞を書き留めて、それをアプリと結びつけたら、どういうアイデアになるか、考えたら
短時間に大量のアプリアイデアがでるのでは?【これは、仮説、でしかないので、やってみて感触を検証】
 
2)仮組みした方法で、発想してみる。
自分の行動を頭の中で再生
「寝てる、目覚ましをとめる、布団から出たくなくてもたもたする、顔を洗う、歯を磨く、トイレに行く、着替えるものをえらぶ、朝ごはんを食べる、バス停にいく、(あるいは、車に乗る)、聴講する、講義する、打ち合わせする、本を読む、資料を探す、待ち合わせる、・・・」
この動詞をすこし言い換えて、それ関したアプリを、まず書き出す。
ねるアプリ→カヤック瀬尾さんのアプリとか、あるな。
目覚ましを止めるアプリ→なんだろ。。。とめる代わりに、二度目をとめるアプリとか、ないかな。じゃあ・・・
もたもたするアプリ→朝の作業を布団の中でやれたらいいな。布団の中でできることといえば・・・
顔を洗うアプリ→さすがにこれは、きついか。どうかな、、、時間が短いし、ぬれそうだし。。。まずはパスしておくか・・・
そんな感じに、ラフに、アイデアワークを、一回りしてみます。
この間、メモを取ることもあれば、もやもや、と頭の中で、霧のような状態をつくっていることもあります。
 
3)タイプライターになる。
空気のたまった風船の口を開くように、
頭の中のアイデア生成による圧を利用して、マシンのように、だだだっと打ち出す。
このときの文章は人に見せられない、意味不明なもの、無配慮なもの、不適切なものもある。
このとき、今日はツイッターを利用しています。
(今晩の私のツイッター、独り言をたくさんん書いていましたがこの作業をしていました。
なお、不適切な発言(インモラルなものとか)は、さすがに書く前にちょっと書き直しをしています。
シンプルなメモ帳を立ち上げておいて、そっちに仮置きしたりもして。)
 
4)うまくいったの?か
この方法で、無理なくアイデアが出たか。
そして発想法という行為になじみのない人も無理なく、実施できるか?
それは一定の成果を期待できそうか。
もっと、簡単にできないか(知のおもちゃ化できないか、と自問しています、私は)
 
5)放置する
ここまできたら、ほかのことをする。(いま、このブログを書いています)
時間がたって、このことをすこし、忘れて情報を減らと、まとめやすいことを
経験的に感じているため、新鮮さをあえて減らすために、放置する、ということを時々。

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