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ブレストの効果【1】

ブレストの効果【1】

石井 力重

アイデアプラント 代表。著書に『アイデア・スイッチ』。専門領域は「創造工学」。クリエイティブ・リーダを助ける道具を作っています。

当ブログ「力重の「ブレインストーミング考」」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/ishiirikie/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


今日の話題は、ブレスト(※)って効果的なんでしょうか?というところから入ります。

「ブレストって効くの?」

「一人でアイデア出したほうが、生産的だよ。」

「だいたいさ、会議室なんかで話し合ったってアイデアなんか出てこないって。」

ツイッターをちょっと検索しただけでも、ブレストって?がたくさん出てきます。
ブレストは、効果があるのか無いのか、これについては実は
創造に関する研究者たちによって、古くから実験がずいぶんなされていて
学術的には、割と共通認識が形成されています。

# 補足:
# ただし、以下に述べる話は、反論を唱える立場もあります。
# 創造に関する多くの議論は、常に議論の途上であり、
# 終わることの無い、永遠にベータのようなものであると、
# 筆者は思います。

そのブレストの効果に対する共通認識とは、以下のものです。

無作為に人を集め、アイデア出しの活動を
してもらう実験をします。すると、その結果、
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「一人でアイデアを作り出す作業 X 4人」 
「4人でブレインストーミングでアイデアを出す作業」
とでは、
成果は「前者」のほうが勝る
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という実験結果が得られます。

なにをもって、成果とするかといえば、
「アイデアの数」を指標としてその多寡をくらべています。
研究手法的に、「客観的に計測が可能なもの」が
取り上げられるわけですが、この手の実験ではまず、数、が
成果の指標として、選ばれます。

さて、こう展開すると

「でも、アイデアの質は?
 一人で考えるより、みんなでのほうが、きっといいでしょ」

と期待したくなります。

そのアイデアの質についても、一定の分析がなされています。
アイデアの評価をする際に、いくつかのシンプルな評価軸があります。
詳細は、また別の機会に譲りたいと思います。
ここでは、その評価軸を使ってなされた結果へと、先を急ぎます。

して、質を評価した結果は、というと・・・

なんと、
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「一人発案 X 4人」と「4人でのブレスト」では、
同等もしくは、前者のほうが優れるケースがある。
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というものでした。

ということは、ブレストなんかしたって意味が無い、ということでしょうか。

ここまでを、知っている方は
「そう。ブレストは学術的にも否定されているのだ」
とばっさりいきたいところ。

しかし、この話には、興味深い展開があります。
なかなか書物に現れない話で、
日本創造学会(創設30年になる学会で、創設はあのKJ法の川喜多二郎氏)
などに参加することで、ようやくアクセスできる内容です。

今日は時間が尽きてきましたので
これについては、日を変えて書きたいと思います。

書くつもりの3つの記事を、topicsだけ、掲示しておきます。

1)質と量を超えたところにあるもの。「モチベーション」について
2)電子ツール。良いとこどりを目指して。
3)実験の設定の仕方は、それで正しいのか?ブレストの効果を計れているのか?

また、これらの長年の実験から、一つの知見も得られています。
それは「ブレストの4つの阻害要因」というべきものです。
なぜ、ブレストがうまくいかないのか。それをしるだけでも
ブレスト的な会議を適切にリードすることができます。

これは、4)、として、ご紹介します。


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略語

ブレスト:

アレックス・F・オズボーンの創造した集団発想技法。
正式名称はブレインストーミング(Brainstorming)。
略して日本では"ブレスト"と呼ばれる。
ingをつけて表現しているが、英語表現では
Brainstorm(ブレインストーム)と
表現されていることも。
創造技法としては「BS法」「BS」と表記されることが多い。

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