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体験してみた。「レンタルバイク」

体験してみた。「レンタルバイク」

石井 力重

アイデアプラント 代表。著書に『アイデア・スイッチ』。専門領域は「創造工学」。クリエイティブ・リーダを助ける道具を作っています。

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アイデア発想法の仕事をしています。石井力重です。

新鮮な発想には、常にたくさん、多様なインプットをするように心がける、というのは、古今東西の発想法の文献にもみられますし、『考具』の著者かとうまさはるさんをはじめ、アイデア発想法に長けた方とお酒を飲む機会があって「普段、なにしてます?」と聞くと、そういう回答をよく耳にします。

私も、ご多聞にもれず、いろんなことを経験してみます。好きだからやってみたい、に、「これは、芸の肥やしだから経費だ」というワンプッシュがともなって、実にいろんなことを、してみます。

今回は、そんなことの中から「レンタルバイク」を体験してみた、という話を書きます。発想法につながる落ちはありません。単なる「レンタルしたバイクで秋の仙台を走った」だけのレビューをゆるしくしてみたいと思います。

(「この体験から何か、1つでもえなくてはいけないぃぃ!」という意気込みも否定しないのですが、何かの役に立つだろ、ぐらいのゆるさでいろんな体験をそのまま体験しているような人が多いので、私もそれにならいます。)

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場所は、私の本拠地である仙台。ここは、仙台駅から西へ数キロ。東北大へ向かっているあたり。

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バイクレンタルは、Hという広瀬川のそばにある自転車・バイク屋さんの中にありました。全国展開のサービスの加盟サービスのようです。バイクレンタル、仙台、とググって最初に出てきたところです。
この日の午後、時間が急遽取れたので、お昼の間に、全国サービスのコールセンターに電話をして、「今日の午後、ピアッジョのMP3を4時間借りたいのですが」というとすんなりOK.予約でき、この店へ。

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これが、MP3です。ファイルの形式ではなく、バイクの名称です。前輪が二輪で、独特の安定感があるバイクです。250cc。ところが、当日の予約がサービスの本部から連絡が入っておらず、整備がされていないとのこと。同じ料金クラスでは何があります?と聞くと、ninja、フォルツァなどなど。当日の予約でいきなり借りるということができるのは便利ですが、どうしても借りたいものならば、数日前から予約をしていく方がいいなと思いました。逆に「今日、晴れたし、気持ちいいから、借りたバイクで走りだそう」というのも、ある程度、車種を絞らなければできそうです。

料金は、このクラスで、4時間10800円。そこには、任意保険が含まれているという手厚さ。さらに車両の保険も3000円で付けられますので付けました。にくいなとおもうのが、破損をした場合、5万円まで免責(つまり、借りた人が払う)だということ。たちごけぐらいだと保険はカバーせず。あとは、車両が使えなくなった場合は、一日3000円の費用の負担(最大で15日まで)が、借り手の負担になるということ。なので、バイクを全損させたりする大事故になると10万円弱は借り手の負担に。それ以上は保険がカバー。思えば、バイクのちょいちょい修理というのは、大体その価格水準に入るので、保険適用はかなりすくなく、それが安い保険料の形成につながっているのかもしれません。

こうして、13800円を支払い、バイクを借りました。サインと保険の内容説明でわずか10分でもう、バイクを渡してもらえます。これは便利。

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借りたのはCB400スーパーフォア。

2003年にヤマハの1200ccのバイクを手放して以来9年のブランクがあるので、本当は、3輪バイクのMP3が安心だったけれど、普通のバイクに乗るなら、乗ったことのある安定の選択肢としてCBをチョイス。

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とりあえず、自宅まで4キロぐらいならし運転。9年のブランクがあるので、最初はぎくしゃく。最後の愛車が大きなバイクだったのもあって、エンジンのふかし方がちょっとフィーリングが違いましたが、10分も加速減速をして慣れました。

リュックをとってきて、山へ向かいます。

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周囲が全然写っていない駄目写真。

1時間ぐらい走ると、秋保温泉の奥のエリアにつきました。肌寒い仙台の秋の晴れた午後、体に風を受けて走り、少し離れた落ち葉たきのにおいをかぐ。もうずいぶんとなかった体験に、いろいろ昔のことを思い出しました。

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車で来ると立ち寄らないところも、なんとなく。

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秋保の奥の、さらに奥へ進みます。ここは、相互通行の急所。このあたり100メートルだけ、道がどうしても細いので、ここだけ相互通行なのですが、車は当然停車できません。バイクなので、わきにバイクを寄せてとまって、とりました。

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こんなかんじに。

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もっといくと、二口(ふたくち)という一番奥のエリアにつきました。

細くなるので心もとないですが、Uターンできるし進んでみました。

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ここまで、大体2時間。車だともう少し速いのですが、安全運転で、ひたすら、とことこ走ってきたのでこんな感じです。

このあたり、本当の意味で「暗雲立ち込める」空模様になったので、引き返します。

帰り道は、行の半分ちょっとぐらいの時間でしたが、気温が下がり始め、日はかげり、だんだんと雨が降りました。

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仙台市内に戻り、満タンにし、バイク屋さんに持って行ったときには、かなり濡れて、寒くてつらくなっていました。走りながら思ったのは「ネイキッドバイクに乗って長い時間走るというのは、腕や太もものグリップに結構な筋力が要るんだなぁと」ということ。昔若くて体力がずっとあったころには、バイクの疲れというのは体温が奪われることからだけくるとおもっていたのが、それだけじゃないのだと、すこし年を取ってのった今日、思いました。

雨が降る。寒い。車なら車内でいろいろできる。そういう思いがめぐりながらの帰りの1時間ちょっとでした。雨のつらさも含めてバイクという体験だ。そんなことを思い出しました。慣れないバイクで走るぬれた路面の恐怖なこと。抗してみると、4輪車というのは偉大です。

バイクを返し、車に乗り換え、自宅に帰り、ぬれたヘルメット、手袋、ジャケットを脱いで、座り、体を温めると急激な睡魔に襲われました。風をきって走る、ということに、この9年間、何度も憧れたものの、ふむう、今の自分のライフスタイルからすると、バイクの所有は、ないな、と思いました。

ただ、レンタルバイク、という制度はとても素敵だと思いました。乗りたい時だけ、保険込みで、たかだか、1~2万円で4時間とか8時間を借りて、プロが整備してくれているバイクに乗ることができる。50ccから1000cc越えの物まで、好きなクラスに乗ることができる。

一年間に、バイクに乗って、のびのび走れる日なんて何日あるだろう。税金、保険、メンテ、車検。そして購入費。それらを考えると、100万円の車体を3年間で100日ぐらいのる時のコスト単価と、レンタルバイクが大体いっしょ。今のライフスタイルだと一年間にバイクに乗って出かける回数は、ぜいぜい10回あればいい方。近所の移動・用事に使うのではなく、楽しみとしてのるならば、そんな計算になります。

各地にこのサービスがあるようなので、安曇野や四国を走るのもいいなぁと思いました。ヘルメットすらも貸してくれるそうですので、旅先でツーリング、というも、なかなかよさそうです。

今回のエントリーには、特に落ちがありません。発想を豊かにしようという考えから私がしていることを、時々こうして紹介してみようと思います。
 
時々、気が向いたら、また「体験してみた」を書いてみようと思います。おすすめも、新鮮な体験ができることがあれば、ぜひご教授ください。

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Idea につながりそうな、自分の気づき)

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1)落ち葉たきのにおいは、一瞬で9年前の自分の記憶や感情を引き出した
2)若いころの筋力では、カットんで走ることがおもしろかったけれど、今は自然を感じる速度で走ることが楽しくなった。体力と思考のスタイルには何か関係がありそうだ。
3)普段車なら我先に走る道を、追い越されながら道を譲りながら走った。不慣れな行為の中において人は謙虚になれる、のかもしれない。