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興味のポイントを、写真で。「ジブン手帳」
»2012年11月 4日
力重の「ブレインストーミング考」
興味のポイントを、写真で。「ジブン手帳」
アイデアプラント 代表。著書に『アイデア・スイッチ』。専門領域は「創造工学」。クリエイティブ・リーダを助ける道具を作っています。
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アイデア創出の支援の仕事をしています。アイデアプラント 代表 石井力重です。
いま、書斎の机の上に、面白い1つの手帳があります。紙の手帳です。紙の手帳は何年も使っていない、とこの前ブログに書いたばかりですが、面白いものは別腹です。
発想を豊かにするには、いろんな面白いものを見て、それから、コンセプトを切り出し沢山蓄積せよ。そんなことをふるい文献で見かけます。そこで紹介されている事例は古いですが、切り取って蓄積していく「その人のストック」は実に面白く、今見ても興味深いものでした。
ということで、別腹です。
ジブン手帳、しげしげと眺めて面白かったところを写真で紹介してみます。
・・・
外観は、シンプル。過ぎるほど、ですが、毎日使う道具ならこれぐらいがいい。
開いてみたところ。
背表紙側に、何やら面白そうな、線引き上のプレート。
そして、手帳の他に、マニュアルが付いています。何かにぎやかな感じ。どこからみるのか。。とりあえず、一か所一か所目を向けてみます。
想定時間に矢印。日本の会議や、訪問は始まりは指定されるが、終わり時間は、曖昧なことが多い。その辺を読み、書くのは面白そう。
完了したら枠で囲む。これって、面白い。
もともとの予定であったことは、枠で囲まれているし、後でつけたこと(それは日記的だったり、メモ的だったり)が、一目瞭然で、この管理方法は面白いです。あと、予定したのに、やれていないこと(例えば、一人で制作、とか)は、その日の終わりにすごく、気持ち悪く残るだろうから、動機づけにもなりそうです。面白い。
それから、色使いにも、コメントがありました。
ビジネスはすぐに目に入る青。こういう色の使い方を指定してある手帳は、意外と便利ですね。これがあると、途中でブレないし、はなからジブンルールのある人は無視すればいいだけだし。
それから、くすり、としてしまったところ。
今日の気分はどうだったのか、おのれよ。という問いかけをしてくる手帳。なかなか、ニヤッとさせられます。それってなぜかといわれても、いやなんとなく、、、って急に真顔になりそうですが、今日の気分を何かに書き付けておくと、平均的に人生がいい方向に向かいそうな予感があります。
それから、お日様アイコンは、食事。
誰と何を食べたか。こんなものを記録して何になるのか、というのは、早計。というか、帰りの電車で、今日会った小さいことを記録しておきたいと思ってツイートしたりしますが、必ずしも人に知られる所に書きたいことばかりじゃない。このスペースは、ある意味、「極小の日記」なんだろうと思います。18文字日記。
それから、週間予定表には、なんと、日の出、日の入り時刻が毎日、明記。
そろそろ日が短くなったなーとかは、毎日生きていればわかる。でも、数か月先の予定表、たとえば11月の頭の今なら、年末の忘年会や初もうでの予定を書きこもうとしたりした時、あー、ずいぶん早く日が落ちる、この時間の待ち合わせって暗いのか―とか。
後は、よるがちな人は「やばい、あと2時間で太陽くる!」とか、そういうのも視覚的に分かって、いいかもしれません。日の出より先に眠らないとまけたきになるでしょう?
それから、いろんな情報ページがあります。面白いなーと思ったのは次のページ。
訪問した都市に記入して楽しむことができるほか、何かをメモするのも面白そう。日本地図を、ビット絵にしているので、複雑な地形でも結構、記号化されていて見ていて面白い。
それから、週刊の部分。
祝日とイベントデーには、大きなグレーの薄い文字でその予定が入っています。これだけはっきり、だと、祝日にまちがって用事を入れたりしなくてよさそう。手帳のふせん糸が、最初にこのページに挟まっているのも憎いところ。ばらっと、開くとエイプリルフールとか。
この手帳は本体の両側に、LIFEとIDEAという別札がはいりますが、ここまでは、LIFEと本体。最後のIDEAはこうです。
セクションのノート。少しだけ構造がありますが、アイデアを書くにはちょうどいい自由さで、ここまでとはうってかわって、自由です。この冊子だけ持ち歩いてもいいな、とも思いました。
さて、最後まで行くと、この定規付のプレート。きっと下敷きなんだろうなと思いつつ手に取ります。
ここで迷います。
あれ、このゴムバンドってなんだろう。下敷きなんだったら、きっとページをぱちんととめるんだろう!と思ってやってみると・・・
あれ?ぐちゃっと、なってしまった。やり方が悪いのかなと思ってもどうにもならず。何度やっても、プラ定規下敷きの方が、ページの高さよりも短いのでこうなる。おかしいな。。。
まあ、いいやとりあえず。
そうおもって、この定規をまた、裏側にさします。
そして、はっと、気が付きます。
そうだ。そういえば、最初にこのゴムバンドは、手帳を閉じるためにかかっていたんだ(参考:一枚目の写真)。
それで、改めてゴムバンドをかけてみると、とてもすっとおさまりました。
線引きや下敷きが平たい面にあると持ち上げにくいのは、時々経験することですが、このバンドが付いているおかげですっと拾えてそれも便利。爪がながい女性が使う時にもよろこばれそう。
・・・
以上、こんな感じに、「あ、面白い」、とかとつぶやきながら、触ってみていました。
その他にも、手帳がもっとも新品なときはお正月や暮れのことだということを強く意識させられました。家系図を自分と相手の家について書くことができる「家系図」のページ。こんなのいるのかな、、、と、一瞬思ってから、確かに奥さんの家にお正月を過ごしに行って、新潟風雑煮にも飽きてきたとき、「そういえば、さっきいらしていた女池のおばちゃんって、どういう関係だろう」なんて、言いながら妻に書いてもらっていくうちに、話に登場しない親戚や、結婚式でそういえばお会いしたなぁとという方が出てきて、そのうちみんなでワイワイ言いながらその家系図を書いていったりしそうで、話のネタにもよさそうです。
これ以上は長く書くとおさまりが付かないのでこれぐらいにしておきます。
この手帳は「単なる予定表」が欲しい人ならグーグルカレンダーで十分、という時代に、「そうじゃない、手帳の価値」を一つの形として拡大して見せてくれたような気がします。
今更手帳術なんて。。。という人も、日記を書くのも三日坊主だけれどツイッターには時々つぶやくよ、という人も、この手帳は見てみる価値がありそうです。
「予定の、新しい書き方」。その輪郭みたいなものを得ると思います。