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input<<output  ブレストの推進力の一つにあるもの。

input<<output  ブレストの推進力の一つにあるもの。

石井 力重

アイデアプラント 代表。著書に『アイデア・スイッチ』。専門領域は「創造工学」。クリエイティブ・リーダを助ける道具を作っています。

当ブログ「力重の「ブレインストーミング考」」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/ishiirikie/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


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今日は、ブレストの話にいたるための、前座からお話します。

上の絵は、iPod touchのアプリで、私が描いた絵です。モチーフは翼。

これ、実は、指で、タッチ画面を、5回ほどなぞっただけでできています。
特殊な線の広がり(一定の規則性と不規則さがあって、偶然の産物が
良くできる)のアプリを使っています。

"すこししか、インプット(操作)をしていないのに、
 それよりもはるかに多いアウトプット(作品)ができる。"

こういう「インプット<<アウトプット」の構造があると、
サービスやツールはとても魅力的に写ります。

このキーコンセプト

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input<<output (すこし努力すれば、たくさんの成果を吐き出してくれる)
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は、これだけでも取り上げたい重要なユーザ体験に盛り込める工夫なのですが
ブレストの話に、歩を進めます。


ホットなブレインストーミングには、このi<<oの構造があります。
これが実はとてもよい効果を持っていることが、ブレストの観察からも分かります。
その効果にいたる構造を、モデル的に表現すると以下のようになります。

 アイデアを言う。それに便乗して他の人がアイデアを言う。
 自分が一つ言うと、それを引き出しにして、3人ぐらいが派生アイデアを出す。
 そんなホットなブレスト環境は、産量も多い。斬新なアイデアもよく出される。

ホットなブレストの場を経験したことのある人ならば、
自分の出したアイデアが「Wild Idea(未成熟なアイデア、とっぴな考え)」だった場合、
それを活用した派生アイデアが、次々出されることで、「突飛さん」的心理を、勇気付けられ
斬新なコンセプトへ、思考を伸ばしていくことができた━━。そんな経験、ありますよね。

ブレストをするときに、i<<oが、推進力の一つになっているのだ、と
知っておくと、参画するメンバーの気構えも変わります。

自分がオリジナル意見を出せない話題だったとしても、
誰かの出すアイデアを3倍にしてあげるのだ( i<<o 環境を作るのだ)と
いう心構えをもつだけで、だいぶ参画の仕方が変わります。

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今日のブレスト・コツ

オリジナル(独創)アイデアの創出がうまくできない時は、
とにかく「 i<<o環境 」を作る役割を、買って出よう。

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ちなみに、やっているうちに、調子があがるときがあります。

ブレスト中に、どうもアイデアが出ないとき、
悩んで腕組みする方法も、否定はしませんが、
時には、にぎやかしの役回りに、意図的に回ってみる、というのも、
調子UPの助走になったりします。

ぜひお試しください。



余談:

ちなみに、日本語には「にぎやかし」「枯れ木も山の賑わい」という概念があります。
ブレストを意味する言葉ではないですが、
創造的な環境には、良く見られる心理様式です。

逆に、反対の状態が場を占めているときは、アイデアをつむぎだす場としては
非常に、厳しいものがあります。