2010年4月にスタートした誠ブログは、参加ブロガーおよび読者のみなさまに支えられて運営してまいりましたが、残念ながら本日をもって終了することとなり、わたしもかんりにんを卒業することになりました。
　最後になりますが、今回はわたしの仕事の中で、一番楽しくてうれしかったことを紹介します。

●かんりにんの仕事「面談」

　かんりにんの仕事はブログ記事内容のチェックやピックアップ、問い合わせの対応などいくつかありますが、そのうちの1つに「面談」があります。
　面談とは、ブログ参加希望者とアカウント作成前に直接お会いすること。いわゆる採用面接のような堅苦しいものを想像する人も少なくないと思いますが、実際はもっとフランクで気軽な雰囲気でやっています。
　誠ブログのコンセプトは"あなたのビジネスについて聞かせてください"です。「ウチのブログに参加してくれる人はどんな人かな？」と、仕事の内容や興味の対象を伺ったり、書きたいテーマなどについて直接相談にのることで、編集部とブロガーの信頼関係を築くことを目的にしています。
　面談を通じて、たくさんの人とお会いするのがとても新鮮でした。とくに、わたしが経験したことのない業界の人たちはいつも新しい発見や刺激を与えてくれ、知らない世界を見せてくれました。

●人の好意に触れる瞬間
　アイティメディアは東京にオフィスを構えており、関東近郊に在住でない人とは直接会うことが物理的に難しいので、そういう場合は電話で話を伺います。現ブロガーの中には九州や関西、中部地方の人もいますが、面談（という名の電話）時に「もし、東京に来られることがありましたら、ぜひお立ち寄りください」と話しつつ、内心では

　「実際はどういう人なんだろう？　直接会ってみたかったな」

と思っていたものでした。
　面談の電話口では「仕事で東京に行くときにはお知らせしますよ」と返されますが、こちらもある程度は社交辞令だと分かっているので、正直、実際に会える可能性は低いです。
　でも、中にはこういう人も。

 "ブロガーの●●です。今度、仕事で東京に行くのですが、オフィスにおじゃましてもいいでしょうか？" 

　というメールが、ある日突然届きます。

　「わあっ、本当に?!」
　「会いに来てくれる、うれしい！」

という気持ちが素直にあふれてくる瞬間――これがわたしにとっての「ごほうび」でした。
　仕事で東京に来るのですから、おそらく時間的な余裕はあまりないでしょう。ひんぱんに来ている人でさえ、忙しい最中にわざわざ時間を空けるのはよほどのことでなければできません。

　月1回開催しているオフ会もそうです。

　「最近、ブログ更新できてないけど、来ちゃった～」
　「今日参加するから、さっきあわててブログ書きましたよ（笑）」

と言いながら、それぞれが自分のスケジュールを調整して集まってくれる――これって、実はとてもすごいこと。なぜなら、多忙なビジネスパーソンにとって一番貴重なものは「時間」だから。好意がなければできないことなんです。

　誰もが仕事の対価として給料をもらう。わたしもそうです。給料日はみんなうれしいものだし、なければ困ってしまいます。しかし、給料以外のところで「生きがい」や「喜び」を感じられなければ仕事はどんどんつまらなくなり、いったんつまらないと思い始めたら、続ければ続けるほどそれは苦行に変わってしまう。それはとても悲しく残念なことだと思います。

　ここに書いたことは、読む人にとっては「きれいごと」だと思う人もいるかもしれません。しかし、決してひんぱんではないけれど、こうして人の好意に触れて「ごほうび」をもらえたおかげで、わたしはこの仕事を最後まで楽しむことができたのです。

2015年2月のオフ会ではデジタル系ライターの荻窪圭さんをお招きし、プロフィール写真の撮影講座を開催。楽しかったナ～（写真撮影：ナカマチコマチ）

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 　誠ブログは、少しお休みをいただいた後、4月6日（月）より現在のオルタナティブ・ブログと統合し、新ブログメディアとして再スタートいたします。
　誠ブログに携わったすべての方々に心より御礼申し上げます。5年間、誠にありがとうございました。

かんりにん・さわだ