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視点を変えれば... ~文房具カフェ・オープニングレセプションにて~

視点を変えれば... ~文房具カフェ・オープニングレセプションにて~

林田 浩一

デザインディレクター、プロダクトデザイナー、商品開発コンサルタント、プロジェクトごとに役割は色々変わりますが、新たな価値創造を求める企業、経営者の黒子役としてお手伝いしています。 自動車メーカーでの10年ほどのインハウスデザイナーの後、コンサルティング会社等を経て、2005年よりフリーランス。プロダクトデザイン開発のほか、商品企画から販売支援まで価値を「つくる」と「伝える」の両面への好奇心から活動中。

当ブログ「デザイン、マーケティング、ブランドと“ナントカ”は使いよう。」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/k_hayashida/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


イマドキ、あらゆるビジネスにおいて差別化を(シチュエーションによっては、それがイノベーションとかブランディングという表現されることも含め)考えないことって、まずありません。でも『差別化=新しいこと=今までに見たことも、聞いたこともない発明』という訳ではないのも確か。もちろん、それが出来ればそれはそれで凄いことなのだけど、そういう方向からの差別化やイノベーションはそうそう起きるものでもないですし。

差別化のコアとなるのは、ちょっとした視点や切り口の新しさだったります。古典(?)ともいえるジェームス・W・ヤングの著書『アイデアのつくりかた』にも書いてあります。『アイデアは新しい組合わせである』ってね。


◆文房具カフェ オープニングレセプションにて

さて先日は、友人がコンサルタントとして起ち上げ支援に関わっていた縁から、表参道の『文房具カフェ』のオープニングレセプションに呼んでいただきました。店内は、『人と文房具が出会うことで、新しい何かが生れる場所』と謳うだけあり、カフェといいつつも飲食だけでなく、少し特徴のある文房具を販売しているコーナーあり、文房具に関した書籍が並ぶライブラリーありと、カフェかサロンかみたいな空間構成になっています。


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昼夜2回行なわれたレセプション、ワタシは夜の部に開始から遅れて行ったら、店内は床も見えない人だらけでビックリ。せっかくなので来場されている人の様子を観察していると、展示している文房具を手に取ってみたり、書籍に手を伸ばしたりというときに、皆さんコドモみたいな表情で楽しそうにしているのが印象的。(レセプションということで、少なからず文房具にも好意的な人が来ているとか、提供されていたお酒で皆さんほろ酔い、とかいう要素を割り引いてみたとしても)

そんな様子を眺めつつ、この文房具カフェ、利用者のエクスペリエンスが重要となるのでしょうから、そのためにデザインする(顧客の経験そのものはデザインできないので)という面からは、『カフェ』の部分もさることながら『文房具』のエリアがポイントになりそうだなぁ、なんてことを思ったり。

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ユーザー・エクスペリエンスという視点で面白いのが、座席のテーブル。ここにはカギの掛かった引き出しが付いています。で、その引き出し、最初に700円を支払って『文房具カフェ オフィシャル会員』というものになると、写真のようなカギが貰え、引き出しの中にある文房具やら、ヒミツの『何やら』を会員だけが利用できるとのこと。ちなみに、面白そうなので申し込んでみたワタシのカギは「No.48」でした。ワタシの後にも次々と申し込んでいる人が続いていたので、この日だけでこの日だけでも、「カフェに来て座ったら引き出しを開ける」という行為が楽しそうと感じる方は、それなりのボリュームでいるようです。

普通にお茶する空間としてのカフェだと、たまたま出先で見掛けたところに入るという人の方が多いのかもしれませんが、文房具カフェという切り口は、わざわざやって来る人を上手く作れるかもしれません。まだレセプションでしか見ていないので、カギを使いに通常営業を体験せねばです。(お店は6月15日に正式オープン済み。7:30~23:30営業とのこと)

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◆『この指とまれ!』が見える モノやサービスがいい

今回まさしくオープン直前の文房具カフェを覗いたからではないけれど... 来て欲しい(現在と未来の)顧客を起点に切り口(視点)考え、モノやサービスの商品にパッケージして、『この指とまれ!』と掲げること。これって大事だなぁと、最近改めて思います。

ワタシは昨年より、新規事業としてオリジナルの最終プロダクトを起ち上げたい中小企業を対象に、『マイクロものづくり経営革新講座』という事業開発・商品開発セミナーに講師として関わっているのですが、ここでもそれぞれの受講者(主に2代目経営者)の方の様子を見ていると、このことを思います。特に中小企業などは、「他社より安い」を続けていくのは体力的にも限界があるので、自社で決めることができる範囲が広い最終プロダクトを持つのであれば、『この指とまれ!』 は必要だと考えます。

これまでの受講生の方も、自社の「らしさ」がある切り口を見つけることへの、しつこさ度合いで、講座卒業後の行動も変化しているなぁと感じたりしていますしね。今月末には、現在進行中の第3期受講生も講座の締めとなる最終発表会を迎えます。せっかくの受講が単なる知識習得に留まらず、講座終了以降の新しい『この指とまれ!』な行動につながるよう、受講生各社の「らしさ」がある視点を見つけるべく、最終回ギリギリまで目一杯粘って考え抜いていただきたいなぁ。。


一見すると、新しさなんて作りようがないような感じがするビジネスや業界でも、視点や立ち位置を変えれば新しい顧客(市場)見つかる、かもしれませんよ。その切り口・視点が生活者や顧客のLifeの中で居場所がなければ、単なる独りよがりで終わってしまいますが。。。