誠ブログは2015年4月6日に「オルタナティブ・ブログ」になりました。
各ブロガーの新規エントリーは「オルタナティブ・ブログ」でご覧ください。

セールスとマーケの間の壁

»2010年11月 3日
マーケターの失敗録(T_T)

セールスとマーケの間の壁

瀬戸 和信

瀬戸和信(KAZUNOBU SETO)テクノロジーマーケティング専門家。

当ブログ「マーケターの失敗録(T_T)」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/kazunobuseto/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


セールス部門とマーケティング部門の間にある壁についてです。思えば、社会人になってからこの最も基本的なテーマをずっとワタシは考えてきました。

"せっかく作った機会も、セールスは活かせない!"

 と、マーケはセールスに対して言います。そもそも、セールスはこう思っています。基本的に、売れれば、商材なんて何でもいいと。ブランド思想は大事と理解してますが、高い目標数値を埋めるためには、ブランドなんて正直二の次です。会社が売りたい商材だろうが、売りたくない商材だろうが関係ありません。会社が定める商材の優先順位より、または会社が望むブランドより、とにかく目標達成が先決です。目標を達成することで、はじめて自身の存在意義、満足感を得ることができるからです。

ワタシがマーケで利益率の高い商材に特別支援策を施したことがあります。でも、セールスはその利益率が高い商材ではく、異なる商材をより多く販売しました。 "利益率が高く、マーケも費用を投資して、セールス機会を作ってるのに、なぜそれとは違う商材を売るんだ!" とワタシは思いました。

ところがある日、ワタシがマーケからセールスに異動したときのことです。ワタシはこんな気持ちになりました。 "とにかく売れるものがあれば何でも売ってやる!いや、是が非でも売らねばならない。売らねば、自分の存在価値がない。家族以外は何でも売ってやる!"  まさに立場変れば、思いも変ります。

"売上に繋がらんことばかりしてる!"

と、セールスはよく言います。マーケはこう思ってます。 "売上を上げ、利益を出すためにはどうすれば良いのか?" を目的とし、売上を創るための手段として、広報なら露出掲載媒体数を目標にします。さらに展示会なら名刺やアンケートの収集数、ウェブならPV、CPLやCPCなどを目標に決めます。これらを手段として、売上・利益確保を目的とします。時流に合った商材を適切なタッチポイントへ流し、そうした全てのコミュニケーションを通して、変幻自在の思考、ブランドを築けると思っています。但し、残念ながらブランドを築く工程のほとんどは目に見えません。たとえ見えたとしても営業は理解できません。

でも、こうした事は言われればわかるのですが、日々変化する実務の中ではついつい部分最適に陥ってしまいます。 広報、展示会、ウェブ、その他の活動の内容をそれぞれに一生懸命に力説してしまいます。これらは手段の工程を管理するための基準に過ぎません。これらは売上げを創るための手段であり目的ではありません。こんなの営業と話をすると、 "マーケの奴らは売上に繋がらんことばかりしてる!" と言われます。工程ではなく、どうすれば売上が上がるのか?という結果を求めるからです。

これが、ワタシが考えるセールス部門とマーケティング部門の間にある壁です。では、セールスとマーケの間の壁はどうすれば解決できるのか?

残念ながら正解は分かりません。が、今すごく試したいことはあります。そのヒントは、ワタシがラグビーをしていた頃にさかのぼります。ワタシたちは、念願だった全国大会出場を決め、FW、BKの連帯感をより一層高める必要があるときでした。しかし、FWはBKのことを悪く言い、BKはFWのことを悪く言いました。ちょうどセールスとマーケのように。

そんな険悪のムードの中、当時の監督 (衆徒先生) が取った行動とは、FWとBKを一時的に逆にしたのでした。するとその後、お互いの苦労が身にしみて分かるようになり、文句は自然と無くなりました。FW、BKそれぞれが、今自分にしかできないことに集中できるようになりました。つまり、互いの専門領域を尊重し合い、自分の専門領域に集中することで、FW、BKの連帯感を出すことが出来ました。

もし、あまりにもセールスとマーケがお互いを尊重できないようであれば、 "責任を一時的に逆にする" ということを試したいものです。仮に現状は出来なくとも、ワタシが経営者になった際には是非実践してみたいひとつです。