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石橋を叩くと渡れない。

»2010年11月27日
マーケターの失敗録(T_T)

石橋を叩くと渡れない。

瀬戸 和信

瀬戸和信(KAZUNOBU SETO)テクノロジーマーケティング専門家。

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恐怖の管理が将来の勝敗を分けます。

先日、3Dなど描写技術に優れているNVIDIAのH氏と話をしていたときのことです。H氏が "うちは常に新しいことをやるから、投資効果や危険が読み辛くて困ります。でも、やらないといけないから・・・" と言いました。

仕事で、何か新しいことを実行するときに恐怖はつきものです。その恐怖の構造を大袈裟に言うとこうなります。もしもそれを実行したら...失敗 → 失業 → 無収入 → 無食料 → 死 (?)

自分では意識しなくても飢えからくる恐怖が自己防衛本能を動かし、その実行を妨げます。例えば、貯金をしないと不安になるのは、飢えからくる自己防衛本能です。つまり、恐怖は新しいことへの取り組み、斬新なアイデアの敵となります。その恐怖を上手に管理しないと、仕事でも私生活でも思った以上の結果は出し辛いです。

それらを実行することで、具体的にどのような費用対効果が得られるのか?売上・利益へは具体的にどのように影響するのか?顧客・取引先の印象を悪くさせるのではないか? 等々。

これらの台詞、当たり前ですがワタシもよく口にします。何度もこれらの台詞で、可能性に秘めた良いアイデアを潰してきたと思います。一方で、物理的感情を少し緩め、挑戦した結果、良かった例もあります。

例えば広告の一例です。我々の商品・サービスは、世間から安すぎと非難を受けて悩んでいました。そこで、広告のコピーに "日本のパソコンは高すぎた" としました。秋葉原の風景を背景にしてです。非難も受けました。その非難は受けてからなんとか対応しました。しかし、同時に賛同もたくさん頂きました。又、日経新聞の広告枠に、"さよなら、ガラパソ" と過激な表現を使いました。このような表現を好まない人がいます。関係者からも、危険だと指摘を受けました。が、ワタシたちは覚悟を決めて実行しました。

 "橋のたもとへ行くまでは、橋を渡るな" ということわざがあります。橋とは越えなければならない問題のことを意味してます。その問題は目前に来るまでは、くよくよ考えても始まらない、という意味です。

これは消極的にならないための例えだと思いますが、大切なのは恐怖の管理です。覚悟を最初に決めて、実行し、問題が実際に直面してから、本気で対応する、という意味です。

所詮、日頃からワタシたちは、やるか?やらないか?の二択しかありません。細々と調査をすればするほど、やめておいた方がいいじゃないかということになります。石橋を完全に叩いてから、渡るか渡らんか決心しようなんて思っていたら、おそらく永久に石橋は渡らんことになります。まさに、石橋を叩いたら渡れないのです。

新しいことは危険がつきものです。だからこそ新しいのです。少し無責任ですが、新しいことをやるときは、知らぬが仏、のほうがよいと思います。なぜなら、現場では、石橋を叩いて危ないとわかっても、渡らねばならないことがあります (苦笑)

何か実行する前に感じる恐怖の管理が将来の勝敗を分けます。

コミックのMajorで名言がありますので紹介しておきます (38巻より) "おまえさぁ。さっきからそうやって、いちいち人生先読みしておもしれぇか?できるかできないかじゃねえよ。男なら、やるか・やらねかのどっちかしかねえだろうが"