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広い世界を小さくするソーシャルネットワーク。

広い世界を小さくするソーシャルネットワーク。

瀬戸 和信

瀬戸和信(KAZUNOBU SETO)テクノロジーマーケティング専門家。

当ブログ「マーケターの失敗録(T_T)」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/kazunobuseto/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


 facebook.jpg今日は 『The facebook effect / フェイスブック。若き天才の野望』 のお話です。

実に興奮しながら読ませていただきました。深い取材をしたデビッド・カークパトリックも凄いんでしょうが、伝わる上手な日本語で翻訳・監督をされた滑川海彦氏、高橋信夫氏、そして小林弘人氏はもっと凄いと思いました。

実際、日本でビジネスに使えるかどうかは分かりませんが、facebookはいまや約6億人の行動様式の情報を所持するインターネット上のキラー・プラットフォーム (場) を形成しています。少なからず、これだけの情報があれば何かできるはず!と、マーケターなら誰でも興奮します。

しかしながら日本では登録者数は200万名程度と聞いています。それでも、マーケターの価値観を大きく変える必要がある、という思いにさせられる本です。

なぜなら、facebookは現実に即した交流を、時間と空間の制約を取り除けるインターネット上でのサービスです。例えば、利用者が何かを書き込むたびに、利用者のプロフィールページにメッセージが載ります。それらが友達のニュースフィードへ伝わります。つまり、利用者がファンページ、友だちに何かを書き込むと、それがマーケターの利益となるわけです。

但し、それらの会話を制御することはできません。ましてや会話を妨害することはできません。できるのは、マーケターが会話を作り出し、マーケターが会話の一員となることです。もしそれに成功すれば、ユーザー同士がつながり、最も信頼する友だちから自社商品を推奨してもらえます。

実はここが日本では難しい部分です。ヨーロッパで行ったマーケティング調査では、商品購入前に役に立った情報源として "友だち" からが一番高い数値でした。アメリカでも、実に66%のマーケターがfacebookのようなソーシャルメディアを利用しているそうです。一方、日本では比較サイト、自社サイト、そして店頭 (販売している場所) 等が非常に高く、 "友だち" は低いタッチポイントになっている傾向にあります。

マーケターの利益となるソーシャルネットワーク上では、ひとつの源泉から不特定多数に情報を伝えるイメージが強い "広告" という言葉の意味は適切では無くなりました。人々がもっと自社商品に関心を持つように、適切なソーシャルネットワークの中で、マーケターが会話を創り、マーケターが会話の一員として個人・個人のユーザーと交流をする工程を指します。

facebookでの人とマーケターの関係は、今後も急速に発展するとワタシも思います。商品の考え方からIDデザインにいたるまでの工程をfacebookの利用者に協力を仰ぐことによって企業はコストを削減できるかもしれません。且つ、人々の求める商品を開発でき、顧客が商品に込める価値を高めることが可能になるかもしれません。

個人的に、facebookとは2007年夏頃からお世話になっています。児玉太郎さん、応援してます。日本でも是非facebookの普及を・・・。

その昔、1970年初期。コンピュータは技術者が使用するものでした (と聞かされました) 今は、個人の誰もが使用できるパーソナルコンピュータ (PC) 上で、オペレーションソフト、様々なソフトフェアが開発され、インターネットを通じて人々の間の思考をつないでいます。今のところ、インターネット上でのキラー・プラットフォーム (場) と化すfacebookが広い世界を小さくしています。