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アーキテクチャの王者。

アーキテクチャの王者。

瀬戸 和信

瀬戸和信(KAZUNOBU SETO)テクノロジーマーケティング専門家。

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これは、ある会食時の会話です。

ワタシ: アドビって、どのくらい利益取ってるんですか?
アドビ: え? "リエキ" ってなに?
ワタシ: ・・いいですね。ライセンスビジネスって。利益の感覚がないんですね・・・。

剃刀のように薄い利益をめぐって激しい価格戦争を繰り広げているところもあれば、アーキテクチャの支配権を握り、大幅な利益をだしているところもあります。

中でもコンピュータ・アーキテクチャの王者は、アドビも独占なんですが、やはりマイクロソフトとインテルです。ゲーム業界で言えば、任天堂でしょう。今、コンピュータ業界は、アーキテクチャ化できたほんの一握りの企業だけが大きな利益を得れます。

アーキテクチャとは、製品が動作する標準環境を作るものです。逆に言えば、コンピュータはマイクロソフト、インテルのアーキテクチャを流通させ、適用範囲を広げていく手段です。さらに言えば、今のコンピュータ (PC) メーカーは、彼らの販売代理店とも言えます。

ワタシがまだ小学生にもならないとき、IBMがコンピュータ業界の基礎を築きました。ゼロックスのパロアルト研究所で可能性がぐんと広がりました。そして、MS-DOS、インテル8088は、最初のアーキテクチャの美しい模範だったと思います。

2011年現在において、すっかり日用品化してしまったコンピュータ (PC) の世界トップ3は、HP、acer、Dellで占められています。あの巨人IBM、DEC、コンパック等は、なくなったり、くっついたりして、もう存在しません。アーキテクチャを専有しそこなった企業はなくなっているんだと思います。

そもそも、メーカーシェアの統計は最終的に製品の総収入から計算されたものや、台数から計算されたものがあります。顧客に届けられる箱のラベルに会社名が書いてありさえすれば、その企業の実績となります。

ところが、これらの収入のうち多くの部分は、PCの内部を供給しているメーカーに戻されます。つまり、コンピュータ (PC) を売るときに儲かるのは、マイクロソフトとインテルくらいです。あとは、一部の台湾メーカーです。
 
コンピュータ業界は、不確実な将来性があり、恐ろしい速さで変化するとても魅力ある産業です。特にハードウェアは、ほぼ全て日用品化する必要に迫られ、高コスト低利益に悩まされています。

たとえ売っているものはハードウェアであっても、コンピュータ・ビジネスのコアは、ハードウェアビジネスだと思ったら勘違いになるかもしれません。少なくともアップルのように結果をださないと、流通・販売業者からはハードウェアビジネスだと思われてしまいます。

書くまでもありませんがインターネットによって、コンピュータがコンピュータの枠を超えて、その活動範囲は広がっています。今は、ゲーム、家電、放送、出版、通信業界まで含めて、コンピュータを考えていかねばなりません。

下半期に向けて、これらの業界を巻き込み、いよいよ新しいアーキテクチャの独占権をめぐり、通信手段、OS、CPU等の戦争が本格化し、面白くなってきます。

最近、少し暖かくなってきたせいか、利益幅がたくさんある隣の芝がやけに緑に見える今日この頃です (苦笑)