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たかが低価格、されど低価格。

たかが低価格、されど低価格。

瀬戸 和信

瀬戸和信(KAZUNOBU SETO)テクノロジーマーケティング専門家。

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IDC、Gartner、そしてGFK社のデータを見続け、今年ではや6年目です。

気になるのは競合他社の動向、特に平均単価の下落は2008年以降勢いが止まりません。パソコンは成熟市場なので、仕方ないのですが、やっぱり嫌な感じはします。

なぜ、価格が下がるのか?

それはパソコンの大衆化です。大量の一般消費者を意識しながら価格付けしなければならず、急速に拡大する市場やシェアを優先する必要があるので、価格競争になってしまいます。

価格の管理、これはメーカーにしかできない大切な仕事です。日頃から小売の世界と密接にあるため、毎日価格の話はつきません。毎日話をするのは、価格の管理というのは大きな意義を持つからだと思います。

ブランド力を売りにする企業は、安っぽいイメージになるのを恐れて、低価格路線に追随したがりません。

ハイエンドに留まるほうが無難と判断し、消費者がブランド価値に割増料金を払ってくれることを期待します。ブランドは非常に大事なのですが、これでは狭き門へ自らを招いてしまいます。

マーケターが価格で注目すべきところは、新たな価格帯に突入すれば、今まで高すぎると感じていた消費者の購買意欲に火をつけられる (かも) しれないことです。

ふつう、値段の数値の末尾を9とか8にすると、買う気をそそりやすいと習いました。ネットブックも5万円を切ると、一気に市場の30%を超え、50%近くまで (たしか) 上昇しました。

戦略的に次の低価格帯へ突入すると、まったく新しい潜在顧客を発掘できます。市場に熱い視線を送りつつも、まだ自分たちには高嶺の花だと手をこまねいていた消費者が、商品の購入に踏み切ります。

例えば、パソコンのOS。ここでアーキテクチャ化を果たしたマイクロソフトと対比される、グーグルのChrome OSを積んだパソコンの登場で、パソコンはもっと低価格帯に突入すると思います。

なぜなら、パソコン市場はすでに一般大衆化しています。 『目の前の昼食を食べなかったら、他人が食べてしまう』 という比喩は業界の常識です。売上や利益を犠牲にしてでも、貪欲に価格の引き下げを繰り返すでしょう。楽しみにしておいてください (笑)

ちなみに、Chromebookはパソコンではない、と言っていますが、見た目はパソコンなので、とりあえずパソコンとしました。 

chrome PC.jpg

 

法人市場に限っては、かなり大きな変革が起きそうな気がします。

パソコン市場は、一般大衆化のせいで利益が低下すると、IT全体のサービス提供によって、パソコン単体で失った利益を補う戦略に方向転換した企業がほとんどです。

でも、一般大衆化の本質は、いままでにない低価格が可能になるという点です。だから市場は、せっかく浮いた経費をサービスにつぎ込もうとはしたがりません。

ならば、せめてパソコンだけは保守・サービスはあえてつけず、 『壊れたら買い換える』 という方向にすれば経費削減の大きな要素となります。

企業のパソコンは、 『壊れたら買い換える』 つまり使い捨てパソコンの登場です。ケータイと一緒ですね。考えただけでも面白く、非常に恐ろしい筋書きです。