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世界のCMOが抱える課題。

世界のCMOが抱える課題。

瀬戸 和信

瀬戸和信(KAZUNOBU SETO)テクノロジーマーケティング専門家。

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IBMが世界64カ国のCMO (Chife Marketing Officer) 1734人に向けに調査を実施しました。日本からも68人が回答しました。

世界のCMOが認識する差し迫って重要な課題トップ5です。

 1. データ量の飛躍的な増加 (ビッグデータ)
 2. ソーシャルメディア
 3. チャネルと伝達手段の増加
 4. 顧客の人口構成の変化
 5. 財務的制約

多くのCMOが、急速に変化する市場に対して、これらを準備不足だと感じています。

この準備不足に対処するために、改善が必要なエリアを次の3つの分類して、それぞれに対して調査を行っています。

 1. 顧客に価値を提供する
 2. 永続的な関係を育成する
 3. 価値をとらえ、成果を評価する

まずは、1. 顧客に価値を提供するからです。

多くのCMOは、未だに戦略を構想するにあたって、顧客ではなく市場を理解することに注力しています。

マーケティング戦略策定時に使用する情報源トップ5です。

 1. 市場分析
 2. 経営戦略
 3. 競合他社ベンチマーキング
 4. 顧客分析
 5. 社内のマーケティングチームによる分析

"事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!"  踊る大捜査線レインボーブリッジを閉鎖せよで青島が叫んだ言葉を思い出します。私の同僚も最近同じことを吠えていました。

個人的にはすごく気持ちは分かります。私は別にCMOではないですが、HQの戦略とローカルの戦略をうまく結合させるために市場分析を行い、その後、作成した物語に合う顧客を探してしまいます。

次に2. 永続的な関係を育成するです。

顧客との効果的な交流のためには、従来型の企業側が閉じた環境で市長調査を行い、価値・商品提案をする。それから顧客のロイヤルティを高めるという手法をとるのではなく、

顧客を中心としたコミュニティからの意見・要望、顧客とのコミュニケーションを企業活動に全体的に取り入れていくべきだとしています。

実際の現場では、顧客が考えていることを意識するのは当たり前ですが、問題はその顧客を監視するデータがない企業もまだまだたくさんあることです。

また、大半の従業員が顧客と接する機会がないかもしれない大企業も多いと思います。組織上、仕方が無いかもしれませんが、個人的にできること、顧客を意識するのとしないのとでは大きく違ってきます。

最近読んだ本、"第一線を自ら経験したことのない大本営参謀が東京の机の上で書く命令や計画が、いかに形式に流れて、第一線の現実にほど遠いものであったか・・・(中略)" を強く思い出します。 (大本営参謀の情報戦記:堀栄三より)

最後に3. 価値をとらえ、成果を評価するです。

経営者が自分でデータを詳しく調べることはできないので、CMOが重要な指標をわかりやすく確認できる資料を作成し、即経営戦略上へ反映できるようにすることが重要だとしています。

今後3-5年の間にCMOに必要となる能力・資質トップ5。

 1. 指導力/統率力
 2. 顧客(の声)に対する洞察力
 3. 創造的発想能力
 4. 経営幹部(CxO)同士の連携/協業
 5. 競合他社のトレンドに対する洞察力

CMOに必要な能力・資質の上位3つは、CEOに必要な能力・資質と同じです。だから、CMOは企業活動全体に対する理解と能力や資質が必要だということです。

同然それだけではなく、企業に大量にあるノイズの中から、ほんとうに必要なデータを用いて、経営戦略へ速やかに反映できる仕組みを自ら作り上げる必要もあります。CMOだけではなく、国代表Head Marketingを担っていると、特に実感できる必要な能力の1つです。

ため息がでるほど、過去の失敗の原因のヒントが本調査に隠されているように感じます。具体的に書くことができないのが残念です。

 

詳細はこちら: IBM Global CMO Studyからの洞察 (本調査に関するページ)