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業界の常識 - ガラパゴス・ジャパン。

業界の常識 - ガラパゴス・ジャパン。

瀬戸 和信

瀬戸和信(KAZUNOBU SETO)テクノロジーマーケティング専門家。

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海外出張のとき、外国人と打ち合わせをするとよく "日本の市場は特殊なんだよね~" なんて言われます。ワタシも、"そうそう、日本は特殊なんですよ~" とつい条件反射のように返しています。

ほんとうに日本市場は特殊なのでしょうか?日本は "ガラパゴス化" とよく言われますが、これはどういう意味なのでしょうか?

分かりやすい具体例としては、やはりケータイ市場です。 "ガラケー" とも呼ばれるくらいです。ケータイの世界販売シェア上位3強が、一位のノキア(Nokia)、二位のサムスン電子(Samsung Electronics)、三位のモトローラ(Motorola)です。国内大手ケータイメーカーのシャープ、パナソニック、富士通などは、その他でまとめられています。

つまり、日本で売れる商品でも世界では売れないのです。ノキアは日本から撤退したのに、なんで世界で一番売れてんの?なんていう人もいるくらいです。なぜなのか?日本のケータイは機能が劣っているのか?

いえいえ、とんでもありません。日本のケータイは最高です!むしろケータイではなく、スマートフォンと呼んだほうが正しいくらいです。

現在国内のケータイは、おおよそ以下のような機能を有していると思います。通話とインターネット、メール対応は当然として、最低でも500万画素のデジカメ、動画撮影機能、地上波ワンセグ放送受信、録画も可能、電子マネー対応、GPS対応で自分の現在位置を液晶画面に表示、パソコンから転送された音楽を聴く、等々。こうした機能が当たり前のように入っています。

大事なことは、こうした機能がほんとうに必要かというとそうではなく、そうしなければ新製品が出せず、競争に負けるかもという錯覚(恐怖心?)があるからでしょう。ちなみに、これらの "ガラケー" をコミカルな実話で収録されているのが、ヨシオカさんのブログですね。

"ガラパゴス化" は、ケータイだけに限ったことではありません。パソコンでも同じようなことが言えます。いわゆる、"ガラパソ" ですね。

海外(主にアジア)メーカーは、日本の商品は過剰品質だと言います。日本の商品は必ずしも必要でない高性能な部材・機能を満載し、わざわざ商品単価を高くしている。たとえば、ノートパソコンに地デジ受信機能やブルーレイ録画機能などを付加して、国内の需要に答えようとしている。それならば、必要最低限の機能を搭載し、性能もそこそこ良く、日本製の半分の製造コストで大幅に廉価な商品を大量に作り出し、全世界で売ってやろうじゃないか!という発想になります。

一方、日本側の意見はこんな感じです。あいつら(海外)とは違って、うちの商品は品質が根本的に違うんだ!てことになります。

こんな感じでパソコンも、日本市場で独自の高機能(ハイスペック)という進化を遂げてしまい、世界標準からかけ離れてしまいました。だから、日本で売れても世界では売れないのです。外国人には、高価な機能を付加し、商品単価を無意味に高くする日本のことが理解できないのです。このような環境を "ガラパゴス化" と呼びます。外の世界と断絶された環境という意味です。

問題は、困ったことに日本の高機能(ハイスペック)という標準と、世界で多く売れている世界標準という全く異なる2種類の標準が日本国内に存在することです。極端に言うと、日本標準か?世界標準か?という選択肢を私たちは購買時にしているのです。

じゃぁ、日本も世界で多く売れている商品と対決すればいいんじゃない?と思うかもしれませんが、実はそう簡単にはいきません。

つづく...。