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バカな情緒的マーケティング

バカな情緒的マーケティング

瀬戸 和信

瀬戸和信(KAZUNOBU SETO)テクノロジーマーケティング専門家。

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新婚旅行で行ったあのハワイの絶景は一生忘れられない!ビーチで食べた美味しい魚介類、地元の冷えたビールは最高だったよ。というような思い出。

ブランドは記憶の総和と前回お話しました。人は思考を刺激する経験、心を揺さぶる経験、成長を促す経験を求めています。一度その経験をすると記憶に焼きつき、半永久的に心に残ります。ワタシたちは、可能な限りブランドをそうした工程の一部にしていく努力が必要です。多くの企業がスポーツ、音楽等に投資をして、どうにか自社ブランドをその感動経験の工程に合わせようとしているのもそういった理由からです。

そういう意味で、ビールのハイネケンの施策は最高に情緒的でした。

きっとこのイベントに参加した人は、この出来事が記憶に焼きつき、心理的概念となり、サッカーの試合をみるたびに、ハイネケンを思い出すことでしょう。

ビール業界はこの情緒的な施策が非常に上手なのか?アルゼンチンのアンデスビールも参考になります。これもハイネケン同様に情緒的な施策です。しかもおまけの効果として、多くの男性が交際中の彼女との亀裂を防げたとか・・・。

バッカァじゃないの!と思われるかもしれませんが、いたってワタシは真剣です。逆にこのバカさが大切だと思っています。バカ=リアルに思っている認識と表現したいです。例えば、別にわざわざ口に出してまで言わなくていいのに、って感じでしょうか。このような施策が情緒的といいます。一般大衆化した商品・サービスには、大変有効的です。

大事なのは、これを自社に置き換えた場合、このような情緒的シナリオが良いのか?悪いのか?を考える必要があります。答えは一番自社のことを知っている自分の直感と常識に耳を澄ませることしかありません。もし、そういう直感がない人は、ブランド責任者としては、別に働き場所を探したほうがいいかもしれません。

情緒的なマーケティングは人々の認識との戦いです。市場にいる人々の頭の中のモノをさしています。ワタシたちが本当にやるべきことは、その認識を逆手にとることです。

でも、ブランド力強化はマーケティング担当者だけでは成し得ることはできません。企業のトップの関与が必須です。多くのトップはブランド力の効果は理解しています。が、勇気をもって積極姿勢を見せる人は少ないと感じます。

原因が何かあるとすれば、それはブランドは完全に管理できないことだと思います。せいぜい、方向づけたり影響をおよぼしたりすることができるだけ。何より、信念と忍耐が長期で必要です。分析よりも直感の世界で、工程の大半は目に見えません。ですが、常に直感として存在す変幻自在の概念です。成功すれば、企業が顧客に永久的に提供できる最も優れた情緒的利益になります。