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費用対効果(ROI)について

»2010年11月 2日
企業経営の閃き

費用対効果(ROI)について

笠井 清志

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ROIを最大化するためには、
1.投資金額を削減する
2.リターン(利益)を最大化する
の2点があるのは、読者の皆様には釈迦に説法でしょう。
私自身にそんな当たり前のことを改めて再認識させられた事象をお伝えしたいと思います。

私がお手伝いしたのは、前述の1.の手法である投資金額コストの削減でした。
販促コストを従来に比べて約15%削減するために、広告代理店の相見積もり制度を導入したり、徹底的なコスト管理を代理店に強要しました。そのかいあって、販促コストは予算通りに削減され関係者に喜ばれたものでした。
その後3ヶ月が経過しました。販促コストは予算どおり削減されているのですが、
リターン(利益)が還元されないのです。
当初(前年数値)の予算ですと少なくとも月間利益が3000万円が無くてはいけないはずが、なんと、少ない月は100万円にまで落ち込んでしまったのです。
・販促コストは、約500万円削減
・利益は、約7000万円ダウン
という、危機的な結果に終わってしまいました。

理由を確認してみると、無理やり受注した広告代理店が結局、事業の採算ベースに乗ることができず、下請けに業務を丸投げしていたことが判明しました。
下請け業者も満足に利益が出せないため、満足できるレベルで業務を行っていなかったのでした。
「共存共栄」という言葉がありますが、WINWINの関係がビジネスのベースになることを
浅く理解し、コスト削減に走ったための「安かろう悪かろう」という現象になってしまいました。

ビジネスは、【データとロジカルシンキングだけでは成功しない】という事例です。

読者の皆様の他山の石となれば幸いです。