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尖閣諸島でなにやってんの?──"流出映像"をヨット乗り目線で講釈たれるぜっ!

»2010年11月 5日
旅するヨット

尖閣諸島でなにやってんの?──"流出映像"をヨット乗り目線で講釈たれるぜっ!

長浜 和也

PC USER編集部員は仮の姿。本業は“一人旅”船長(自称)。伊豆諸島を旅するため、学連経験やクルー修行をすっとばし、いきなりヨットに乗りはじめて早10年。

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流出ビデオで番外編!なんてインビな響き......。よし! おっけー!! 任せておけ!! 漢字は書けないけど"みだら"なことなら自信あるぞ!!!

ん、そういう話ではない。流出映像......、えー! それ? もういいよー。エラそうな人がエラそうな態度でエラそうなことをいい散らかしているじゃないですか。もうお腹いっぱい。そもそも、役に立たないのが取りえのこのブログで、そんな重いテーマは無理だってば。

文句いわずにみろみろと。おっ、漁船だ。あらま、排気管から黒煙がモクモクと出たぞ。こりゃ、デットスローの状態から機関の回転数をいきなり上げたね。ほら、前進し始めた。あらあら、なんとなく左に曲がって進んでいるぞ。だあぁぁぁ、巡視船の左舷後部へまともにぶつかったー。

こりゃまた豪快な操船だね。え、わざとでしょうって。わたしゃ専門家じゃないから、"この映像だけ"では「100%わざとっ」とは言い切れないっす。

スクリューが1つしかなくて、しかも、前進するときに右回りだったりすると、船を急発進させたら船尾が右に振れるんだよね。海難審判なら「急に回転数を上げたら思った以上に左へ曲がっちゃった」と受審人側が反論しなくもない。黒煙が上がったタイミングから、ぶつかるまでの時間、ぶつかったときの行き足と黒煙が上がった直後の船の動き(お尻のふり幅)を見ると、その可能性はかなり低いと思うけど、専門家が検証しないと分からないなー。

お、今度は並航している。おやおや、漁船が左に変針したね。航跡と船体の角度を見ると「とぉーりかじ、いっぱい」てなところかな。んんん、キャー、近い近い近すぎる。ほーら、接触したああああ。

え、これもわざとでしょうと。だから、専門家じゃないから言い切れないって。確かに漁船が転舵して接近してきたのは非常に危険な操船だと思うね。ただ、この映像だけでは海難審判で「接触する意思はなかった」と反論される可能性はあるかもよ。2隻の船が接近すると、お互いに引き合う力が作用して吸い寄せられるんだって。航路をすれ違う船は、その全長分の間隔をあけるように決められていたりするしね(ただ、この間隔は吸い寄せられる力だけでなく、心理的な不安も考慮して決められている)。この手の事故では、戦前の旧海軍で戦艦長門と戦艦陸奥が接触した事例が有名だったり。あ、これは試験に出ないから覚えなくてもいいぞー。

アマチュアの目でみると、船首が振れて接触していたりするので、意図的に操船しているように感じてしまうけど、やっぱり、専門家の解析を待たないとなんともいえないと思うよー。

......なにいってんだ、おまえと。この映像を見れば、わざとぶつかってきたことが明らかに分かるじゃないか、おまえと。この映像を見た人はみんな言っているぞ、おまえと。

えー!そうなのっ!! みんな専門家級の操船技術と知識を持っているんだ。さすが、海国日本。