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それでもヨットは旅に​出る

»2011年5月 3日
旅するヨット

それでもヨットは旅に​出る

長浜 和也

PC USER編集部員は仮の姿。本業は“一人旅”船長(自称)。伊豆諸島を旅するため、学連経験やクルー修行をすっとばし、いきなりヨットに乗りはじめて早10年。

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 今年の連休は、うまくごにょごにょっとやれば長く休めたりします。旅するヨットの本能としては長期巡航のチャーンス!


 しかし、腰の重い旅ヨット船長が多いとのこと。もともと春の連休は、混雑する港を敬遠したり天候が安定していなかったりで計画がたてにくい、という事情があって、意外と巡航に向いていない時期ではあります(私の船も連休は巡航ではなくGuestDayにしている)。それでも、例年ならこの時期満杯で泊める余地がない保田も三崎も今年は余裕がありました。


 「自粛云々」は各自それぞれの考えでいいでしょう。ただ、それとは別に、「あの津波の映像を見てから海に出る気持ちになれなくて」という船長が少なからずいます。それに加えて、大地震の影響で関東の広い地域はマグニチュード7から8クラスの地震が起きやすくなっているという報告もあります。その予想マップで三浦半島から大島を含むグリッドにおける可能性が高いことも、旅ヨットの船長たちを海から遠ざけているようです。


 しかし。今回の件で津波が気になって、という船長に問いたい。津波が危ないから旅に出るなという船長に問いたい。

 津波が発生するかもしれない、とは以前から言われていたことじゃないのかなと。

 いまさらなんでぃ!
 よけいなお世話じゃー!
 パオオオォォォ!

 津波が起こるかもしれない、という前提はいまも昔も変わらないはず。これまで通り、津波に対する備えとともに海を旅すればいいじゃないですか。

 被災地の釣り人が津波で損傷を受けた港の岸壁から大きな魚影を見つけてこんなことをいっています。

「あんなことがあったあとなのに、魚を見ると釣りたくなる。本能なんだなあ」

 海にいい風が吹いていれば、
 いつものように帆を揚げて
 いつものように旅に出たくなるのが、
 旅ヨット船長の本能
 ではないかと思うのであります。