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真実は報道の向こう側にあり、物事の本質は多数決の反対側にある

真実は報道の向こう側にあり、物事の本質は多数決の反対側にある

原 彰宏

製薬会社、旅行社の勤務を経て独立。異業種経験から総合的に経済、企業をウォッチし、金融出身でないことを武器にわかりやすく解説しています。CFPR認定者、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。大阪府出身。

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 ヨーロッパ不安が報道を賑わしています。ユーロ下落によるギリシャのEU離脱とか、ユーロそのものが崩壊するなどの話題で持ちきりです。

 あくまでも私見ですが、報道は必ずしも、真実を伝えていると言い切れないと感じています。雑誌は売れる「ネタ」を誇張することで発行部数を伸ばしますし、ワイドショーは、ネガティブな話題のほうが視聴率が取れるので、やたら悲観的なことを誇張していきます。これはそれぞれの特性で仕方がないことではあります。私たちがどう判断するかと言うことです。

 情報は、世の中にたくさん溢れていて、それを取捨選択するのは非常に難しいです。ましてや、どれが優良な情報か、どれが正しいのかを見極めるのは至難の業となっています。飲食系サイトでは、やらせ問題が深刻化しています。ネット情報に関しては、みんな裏を取っていないので、信憑性は薄いと判断すべきでしょう。

 真実は報道の向こう側にあり、物事の本質は多数決の反対側にある。最近好んで使う言い回しです。この言葉をいつも心の中で反芻して、情報と向き合ってください。

 では、真実を見極める目はどうして養えばいいのでしょうか。
 それは常に疑問を持つことです。幼児が、物事を知るきっかけは「なんで」と思い始めることだそうです。「なんで、どうして」としつこく親に聞いてくるあの時期が非常に大切で、親は面倒がらずにきっちりと答えてあげなさいと言われますよね。あれと同じ感覚です。
 と言っても、そんな感覚は大人が覚えているわけはないですが、報道されたこと、知りえたことに関して「なんで」「あれっ」と常に疑問を思ってください。疑問を無理やり作っても構和ないと思います。そしてその疑問を調べるのです。それはネットでも構いません。面白いことに、ネットの匿名性の良いところは、言いたいことを書いていますので、賛否両論、遠慮なく登場して来るところです。それを読んで、自分で判断したことが、きっと正解です。それを繰り返すと、自然と、ぼんやりとでも、なんか違うぞと言う指摘が、的確になってきます。私の場合は、もともとの性格から、人間性が悪くならないかと心配ですがね。

 今のヨーロッパの問題に関して、私もいろんな人の話を聞きました。評論家と呼ばれる人の話しではなく、現場で大きなお金を運用している人や、ジャーナリストと呼ばれる、取材や関係者証言を得ている人の情報を中心に聞きました。
 彼らの話を総合すると。共通して言っているのは、一連のヨーロッパ問題は、完全に「やらせ」のようだということです。つまり、解決できることを引き伸ばししているにすぎないとも言っています。今ヨーロッパが行っている量的緩和を、ギリシャやスペインの債務問題が出てきたときに行っていれば、もっと早く解決できただろう。それをやらなかったことで、ユーロ安を招き、そのおかげでドイツは儲かっているという論調です。
 このことに関しての事実としては、ユーロ不安は格下げが引き金になっています。その格付会社はアメリカの会社で、格下げにより、売りで儲けている投機筋は、ほとんどが英米系ということです。そしてドイツDAX市場は好調です。

 げんばの人やジャーナリストの意見では、報道ほど、ヨーロッパは心配ないというのが結論になりますが、市場は水ものですから、この論調を100%鵜呑みにはしない方がいいですが、少なくとも、一般報道と真逆の意見ですから、どちらにも対応できるようにしておくことが「リスクヘッジ」といえます。最終判断は、何十億と言うお金を実際に運用しいる人の意見に、すこし比重が多くなる感じです。

 真実は報道の向こう側にあり、物事の本質は多数決の反対側にある・・・今後の活動において一番重要視しているフレーズです。