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豊かな老後を送るには経済力が大事
ラッキーFPの“ついてる”はなし
豊かな老後を送るには経済力が大事
製薬会社、旅行社の勤務を経て独立。異業種経験から総合的に経済、企業をウォッチし、金融出身でないことを武器にわかりやすく解説しています。CFPR認定者、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。大阪府出身。
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老後に関して何が不安かを分析してみますと、一にも二にも生活そのものが不安であることは間違いありません。その生活というものをもう少し考えると、「日々の生活」と「いざという時の備え」が考えられます。
生活となると、それは一般的には年金が資金源となるのでしょうが、その年金制度が不安視されています。そもそもの老後の不安の根幹は年金制度への不信にほかなりません。この部分を自分で何とかしなければならないとなると、これは大変です。いちから未来設計図を作り直さなければならなくなります。絶対に年金制度はなくならないとか、国の制度だから大丈夫という、感情的な論理は捨てなければなりませんね。かといって、設計図を書きなおすのはかなり大変です。今の政治情勢を見ていると、どう考えても、年金制度は維持できない感じです。
いざという時の備えとはなにか。多くの場合、医療費がこれに該当しそうです。高齢とともに医療費は増えていきそうです。今の医療制度自体もかなり疲弊しています。国民皆保険制度の維持そのものも危ぶまれているようです。皆保険を維持するためには、医療給付費を極力抑えなければなりません。それが長期入院の抑制とジェネリック医薬品の普及です。患者負担を増やすことも検討されています。特に、高齢者への優遇制度は見直されそうです。
いざという時の備えには介護も含まれます。介護費用は、老後での支出においてはかなりのウェイトを占めそうです。介護保険そのものが、今だ発展途上にあるなか、自己負担分を十分に備えておくことが必要です。介護施設入居にかかる費用は、入居後の月々の負担もさることながら、自宅介護にかかる費用も相当かかります。老老介護の現状において、肉体的にも精神的にも厳しいです。
老後を考える上で、何やら明るいニュースはなにもなさそうです。かつては、エコノミックアニマルと呼ばれた仕事一筋の現役時代が終わると、退職金と年金で悠々としたセカンドライフを過ごすというイメージだったのが、今では年金暮らしという言葉は質素で暗いイメージがあり、場合によっては働かない子供を養う状況が社会問題となっている始末です。いつから老後は暗いものになってしまったのでしょうか。
お金がすべてとは言いませんが、お金がなければなにもできません。お金に振り回されるのは嫌ですが、安定の裏には資金力が付いて回るのは事実です。
豊かな老後とは、心の豊かさであることは間違いありませんが、心の豊かさの裏付けは、やはり経済力です。その経済力をつけるのに、年金制度に頼らないとすると、どうやっていけばよいのでしょうか。その答えは、運用という手段でしか活路は見いだせないような気がします。それゆえ、運用には早くから馴染むことが重要です。どうしても、老後を考えるうえで、運用は切っても切れなくなっていきそうです。