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昨日の米雇用統計は良かったのですが...

昨日の米雇用統計は良かったのですが...

原 彰宏

製薬会社、旅行社の勤務を経て独立。異業種経験から総合的に経済、企業をウォッチし、金融出身でないことを武器にわかりやすく解説しています。CFPR認定者、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。大阪府出身。

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昨日のアメリカ雇用統計は強い結果となりました。失業率が0.2ポイント改善され、7.7%となりました。非農業部門雇用者数(NFP)は14.6万人増、前回よりかは増加数は減りましたが、事前予想の8.6万人を大きく上回りました。

しかし、マーケットの反応は一時的で、株価はニューヨークダウ・S&P500とも上昇しましたが、為替は、発表後、ドル/円でドル買いは目立ちましたが、その後は徐々にドルが売られる展開となりました。ユーロ/ドルでは、利下げ観測でユーロ売りが目立ちました。

雇用統計の中身は、確かに失業率は改善されてはいますが、大型ハリケーン「サンディ」による悪天候により、就業できなかった労働者数は36万9000人となり、労働市場の縮小の結果が失業率の低下につながったのではという理由によるもののようです。

労働参加率は63.6%と、前回の63.8%から低下でした。前回の非農業部門雇用者数増加数速報値17.1万人は、13.8万人に下方修正しています。

また、今回の調査は、11月末の感謝祭の関係もあり、調査を通常よりも一週間繰り上げて行っています。その結果、小売業を中心に、年末商戦のために早めに一時雇用を増やしたことも影響しています。民間部門雇用者数は14.7万人増となっていて、事前予想(9万人増)を上回ったのもそのせいかと思われます。11月の、年末商戦に向けての、早めの一時雇用者対策により、雇用環境を押し上げたのは、約7万5000人ではと言われています。

11月の小売業は5万3000人増、一方、製造業部門雇用者数は7000人減少、建設部門では2万人の減少でした。

なお、平均時給は23.63ドルで、前回は23.59ドルでした。また、平均労働時間は週34.4時間で、前月と変わらずだったようです。