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地域活性化の旗手となった「〇Xグランプリ」

地域活性化の旗手となった「〇Xグランプリ」

猪口 真

広告制作会社、人材開発コンサルティング会社を経て、2004年株式会社パトス設立。現在同社代表 マーケティング・コンサルタント。

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地方活性化の担い手として、「グランプリ」と名付けたイベントが各地で開催されている。
中でも注目すべきイベントが愛知県一宮市で開催された。
すでに名物となった感もある、喫茶店のモーニングサービスの内容を競う「モー1(ワン)グランプリ」がそれだ。

もともとこの名古屋界隈では、喫茶店のモーニングセットが有名ではあったが、「グランプリ」というイベントにするのもすごいが、グランプリを決定するプロセスも秀逸だ。

ふつうは、一か所の会場に参加者を集め、1日限りのイベントとしてパブリシティ効果と瞬間の盛り上がり感を出そうとするのだが、ここは違う。

読売新聞によると、協議会に登録した85店をスタンプラリーのように回った客が、気に入った店を投票する方式で点数を競うという方法だ。単なるイベントにせず、継続的にお店を訪れ、お店の接客や雰囲気までも投票者の印象に残る。
手間もかかるが、将来への継続性や地元への定着は雲泥の差があるだろう。

それにしてもグランプリに輝いた「カフェ メールネージュ」のメニューはすごい。飲み物にパン、サラダ、ゆで卵、野菜スープ、フルーツ、コーヒーゼリーがセットされ、値段は350円。パンはフレンチトースト、サンドイッチ、ワッフルなど8種類の中から選べるというのだから、ありえないぐらいのサービスだ。

言ってみれば、喫茶店のただのひとつのメニューにすぎないし、ましてや「モーニングサービス」という昭和の香りたっぷりで、新しくもなんともない。しかし、このイベント自体が持つ身近感覚には、ほほえましさと感動を両立させる。

地域の名物をなんでも「○○グランプリ」にすればいいというものでもないが、長年取り組んできたことへの評価と露出が、サービス魂と接客魂をくすぐらないわけがない。

まずは私たちの住む町内会から動かしてみますか。