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街を愉しむためにも、田んぼに行こう!「おなかまめし」

街を愉しむためにも、田んぼに行こう!「おなかまめし」

猪口 真

広告制作会社、人材開発コンサルティング会社を経て、2004年株式会社パトス設立。現在同社代表 マーケティング・コンサルタント。

当ブログ「「大きなお世話かもしれませんが真流マーケティングです」」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/makoto_marketing/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


「おなかまめし」というユニークなネーミングを持つ自己成長プログラムが発表された。

青森県の農業生産法人「白神アグリサービス」人材開発会社「イノベーションアソシエイツ」広告代理店「廣告社」の3社による、農業自然交流体験型人材研修サービスプログラムだ。

http://www.onakamameshi.jp/

ネーミングの由来は、プレス情報に「同じ釜の飯」「お仲間飯」という意味を持つとあるように、共同で米作りを実際に体験しながら、仲間たちとの共有体験、自省を通じて、現実のビジネスに役立たせるというところにある。

地産地消や自然への回帰が叫ばれているにもかかわらず、農業(特に地方)の経済的な実態は悲惨だ。農業従事者は減少の一途であり、食生活の変化や輸入品などによって、農業従事者の家計は圧迫されるばかりだ。

反面、「農ギャル」(少し古いが)として、「農業」に魅力を感じ、街を捨て田畑に向かう「ギャル」は少なくないし、「ガールズ農場」として、ビジネスとして農業界に参入する強者もいる。
また、クラインガルテンのような都市生活者に向けた「農園サービス」も徐々に見られるようになってきた。

これまでまったく農業とは縁がなかった人たちが農業への興味を示してきており、自然回帰を訴える著名人も多い。

同時に、団塊世代なども、元々は農業に関係する人たちが少なくないだけに、農業への想いは熱い。

そうした中、農業体験、自然体験、人との交流体験を通じて、自分自身の人としての成長を目指す人材育成プログラム(加えて、耕作放棄地の活用、地域への還元といった社会貢献の意味もある)として発表されたのが、このプログラムだ。

農業の良さは、自分の手できちんと対応すれば、必ずなんらかの反応が返ってくるところだろう。

殺伐として、理不尽さが蔓延するビジネスの世界に慣れてしまった多くのビジネスマンにとって、
自らが手を施したことが確実に返ってくる実感は、久しく経験したことのない感動となるかもしれない。

むかしアメリカの農場主が、「大地は裏切らないからここにいる」と言ったのを覚えている。

決して裏切らない大地と触れ合うこと、そしてそうした実感を仲間とともに共有すること、これらはきっと生涯の糧となるはずだ。

街を愉しむためにも、コンクリートのビルで仕事をバリバリこなすためにも、田んぼに行こう!