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新入社員のあなたは何を持っているのか?-例えばビジネスの全てはトレードオフである件-

新入社員のあなたは何を持っているのか?-例えばビジネスの全てはトレードオフである件-

正林 俊介

中小IT企業を法歴し、SI営業、事業企画、M&Aディール、マーケティングなど様々な職務を経験し現在に至る。

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もう、初任給をもらったのかな。

今、街を歩けばそれと分かる新入社員の皆さん。期待と不安、チョット余裕かましている態であってもよくわかる。

そして、皆が仕事を頑張りたい、成功したいという秘めたる想いはビンビン伝ってきて、僕ら社会人10年以上やっているモノにとって刺激になる。嬉しくなっちゃう。純粋にワクワクしながら仕事に向かうのは、もう僕らオッサンはすっかり忘れていて、それが眩しくも映るからかぁ?

もちろん、新入社員の皆さんに関わらず、誰もが仕事をしていれば成功裏に終わらせたいのであって、どんなにモチベーションが低い人でも、まさか失敗したいと思って仕事していることは無いだろうケド。

新入社員の皆さんは、好むと好まざるとに関わらず、これから以下のことを求められていく。

仕事の成果を積み上げていくことを。

ビジネスのスキルを磨いていくことを。

けれど、ずっと永遠に成果を上げ続け、スキルを磨き続けるのは、決して容易なことではない。

>>ビジネスの全てはトレードオフの関係にある

ではどうすれば、高いスキルを身につけ、成果を挙げられるのだろう?

僕は、「ビジネスの全てはトレードオフの関係にある」と思っている。いわゆるギブアンドテイクの関係。

それは、貴方が仕事をするにあたって何を持っていて、どれだけの価値を提供できるのか?ということだ。何も提供できない人は、何かを得ることも勝ち取ることもできない。

例えば、顧客との関係であれば貴方はサービスを提供し、顧客はその対価としてお金を払う。ここにサービスとお金という、トレードオフの関係が成立している。提供するサービスは、顧客が支払う対価と同じ、あるいはそれ以上の価値が無くてはならない。そして、提供するサービスは貴方(会社)に利益をもたらさなければならない

すなわち、サービスの対価として支払われるお金の価値は「提供する側と享受する側」との間でイコールの関係にはならないのだ。一方が利益を上げながらも、もう一方は不利益ではない。例えばそのサービスが100円で提供されるとすれば、「100円という金額が同じ価値を持たない」ということだ。

提供側にとって提供するサービスと100円の価値関係は

  • サービス<100円

であり、サービスを享受する側から見れば

  • サービス>100円

という関係になる。100円という物理的にも硬貨としての価値定義が同じものであっても、立場によってその価値は相対的に変化するのだ。

このギャップこそがビジネスの価値であり、その本質だと僕は思う。

高い成果やスキルを獲得するというのは、このギャップを如何により良い方向へ大きくしてくか?ということだ。

これはサービスとお金の関係だけでなく、会社のなかであっても情報交換や仕事の助け合いなどでも同じことが言える。もし、助言を求められたときにそれを貴方が蔑ろにすれば、貴方が助言を求める時には、その助力の範囲は蔑ろにしなかった場合に比して限定的になるだろう。

こちらから何かを提供する、替わりにリスクを負う、など「トレードの材料」が大きければ大きいほど、大きな成果を得られることになる。

そう、高い成果やスキルは、自分が持っているたくさんの財産をトレードしてきた結果、得られるものなのだ。

>>貴方が持っているものは無限である

えーっと、ここで、もっとシンプルに考えてみよう。

今、新入社員の皆さんが持っているものは未だ少ないと思うかもしれない。けれど、実はそんなことは決して無い。

最も簡単に提供できるものは仕事への「取り組み姿勢」だろう。遅刻などせず、積極的なコミュニケーションを心がけ、先輩への敬意を忘れずに、健康であり続ける。

こうした、折り目正しい仕事への取り組み姿勢は、「信頼」を得ることに繋がる。つまり、「取り組み姿勢」と「信頼」がトレードされ貴方は信頼という財産を蓄えることが出来る。社会人として当たり前のことを継続するということだ。

これは例えば僕なんかだと、接待かなんかで深酒した翌日に「あ゛~、頭痛い...午前中はパス!パス!午前休!」なんて誘惑に負けそうになっててしまう。そういう誘惑に打ち勝ち続けるということだ。

ふーん、当たり前じゃん、と思うかもしれない。だからなんだよ!なんて思うかもしれない。

まあ確かにここに書いたことは当たり前のことだし、目新しいものでもなんでも無い。

けれど、これもう一歩踏み込んで、得られる価値あるいは提供する価値を最大限の価値に高めることを考えてみよう。

新入社員研修で課題を速やかに終わらせてから、それを同期入社の方に見てもらったりしてみる。これは、課題を終えることが出来たプロセスをアウトプットするということだ。

説明や理由に応えながら、アウトプットするスキルが課題が出来たことに、プラスアルファの価値として手にすることが出来る。また、同期の考えや答えに至ったプロセスを聞くことで発見や知識もプラスアルファされる。その上で、その同期との人間関係が深まって人脈や信頼関係の構築が出来るかもしれない。

他にも、研修してくれる先輩に対して価値を大きくしていくことを考えてみる。ビジネスの基礎を教えてくれる貴方の先輩は「教えることのスキル」を獲得している。その先輩が獲得するスキルを最大限に提供することは、貴方が受け取る価値を大きくするからだ。

ここで改めて僕はこう言う「ビジネスの全てはトレードオフの関係にある」と。

そのトレードに付加価値をつけることは何か?これを考え、行動することこそが高い成果やスキルを得ることに繋がる。そう、同じ研修を受けて、獲得できるものは貴方次第でどうにでも変わってくるんだ。だから頑張って!オッサンも頑張るからさぁ!

<了>

正林俊介