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中国語でハーバードは「哈佛」です(前半)

中国語でハーバードは「哈佛」です(前半)

山崎 繭加

ハーバード・ビジネス・スクール日本リサーチ・センターのシニア・リサーチ・アソシエイト。主に日本企業やビジネスリーダーに関するケース作成を行っています。

当ブログ「ボストンと東京のあいだで」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/mayukayamazaki/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


いろいろな日本の企業のことを調べてハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の先生たちにせっせとメモを作って送って、でも反応が悪くてしょぼんとしたり、ようやく先生が興味を持ってくれたと思ったら会社側に断られたり、こういう企業ならぜひ書きたい、とせっかく言ってきてくれる先生がいるのに、なかなかそれに合致する企業が見つからず焦ったり、とかいうのを繰り返していると、少しずつ気分が重くなってくる。

もちろん、ケースプロジェクトが立ち上がったり、企業とのいい出会いがあったり、と、徐々に流れはよくなってはきているんだけど、それでも、なんとなくぱーっと気晴らしがしたくなって、上海に行った。

がんばればビジネスは大きくなる、そして個人としても豊かになる。日本の高度成長期みたいな、右肩上がりの成長の段階を、しかしもっとすごいスピードで駆け抜けている国に行って、ごちゃごちゃ考えずに、その空気にほんの一瞬だけでも浸ってこよう。ついでに、今年の3月にオープンした、Harvard Shanghai Center(ハーバード上海センター)にも遊びに行ってみよう。

 

照りつける日差しと万博(中国では「世博」と言う)にやってきた人の熱気で、溶けそうにアツイ。大胆であざやかな服を着た若い女性が、太いストローで飲むタピオカティーみたいな飲み物やスタバのコーヒーを片手に、街を闊歩している。世博を観にやってきた家族連れの子供は、栄養と愛情が余っているのか、かなりぷくぷくだ。ベイカリーやコーヒーショップ、カフェがあちこちにある。トイレも比較的きれい。車の運転は相変わらずワイルドだが、2年前に来た時と比べても、明らかに違う。ライフスタイルや人の意識が急激に変化しているのを感じる。

ハーバード上海センターは、ハーバード大学のHarvard China Fundという機関とHBSが共同で作った。ちなみにハーバード大学は中国語で「哈佛大学」。斬新な形の高層ビルがにょきにょきと立ち並ぶ浦東地区の中でも、最も新しい「国際金融中心」というビルの5階に入っている。1階は、シャネルやらカルティエやら何やら世界の超高級ブランドのブティックがずらずらと並んでいる。

Harvard China Fundは、ハーバードの中国でのプレゼンスを高め、またハーバード大学の学部生の中国での教育、インターン派遣などのサポートを行うことを目的に設立された。HBSは、ボストンのキャンパスにあるのと全く同じ形の円錐型の教室を上海に作り、そこで企業幹部向けの様々なプログラムの運営を行おうということで、大学側と協力してハーバード上海センターの設立に奔走。

実際に場所と設備を抱え、ローカルのスタッフを雇うとなると、当然ものすごいお金がかかるけれど、中国の今後の重要性を考えれば、必要な投資だと判断したわけである。ちなみに、現在こういう形でHBSがボストンの外に教室を持っているのは上海だけ。インドのムンバイでも企業幹部向けのプログラムを実施しているが、まだ教室の建設までは至ってない(続く)。

P1020224.JPGのサムネール画像

(浦東の高層ビル群。ど真ん中のビルが「国際金融中心」)