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マイク丹治のグローバルアイ その3
マイク丹治の「グローバル・アイ」
マイク丹治のグローバルアイ その3
セールスジャパンという、中小企業・ベンチャー企業向けの営業代行・販路開拓の会社で会長を務める傍ら、いくつかの会社の顧問に就任しており、更に政策シンクタンク・構想日本で政策提言を行っています。
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先週はニュージーランドへ行ってきました。不思議なことに、ニュージーランドは結構ハイテク分野で優れた企業があり、お手伝いしているIT関連会社の商談で訪問してきました。
ニュージーランドは二回目ですが、やはり豊かな自然とゆったりした雰囲気を強く感じました。一時は財政危機で大変だったようですが、今は立ち直り税率も低く、とても暮らしやすいとのことです。お会いした先方の社長はイギリス人で、アメリカでも仕事をしたことがある人でしたが、奥様がニュージーランド人であることもあって、真剣に子供の教育などを考えて移住したということでした。母国にも、アメリカにも戻る気はない、とはっきりとコメントしていました。
残念ながら、あまり詳しく国の制度や政策を調べる時間はありませんでしたが、最近は中国や韓国からの移住も増えており、基本的に人口が少ないので、移住にはあまり制限的ではないとのことでした。日本からも、大学生の短期ホームステイなどでは訪れる人がいるようですが、概して印象は良いようです。
北半球と南半球に分かれてはいますが、面積も日本の7割程度で、国が縦長であることも似ているので、気候や自然環境も日本に近く、豊かな気候や海に囲まれているという条件、更に人口が少ないという利点を生かして、食料の自給が確保されていて、安全で確かに住みやすいところだと感じました。
また、ニュージーランド航空は昨年のエアライン・オブ・ザ・イヤーに輝いたそうですが、確かに搭乗していて、サービスが行き渡っており過剰なアナウンスなどもなく、長時間(片道10時間かかります)のフライトでも快適でした。
これらの良い点がどのように出来あがってきたのか分かりません。でも、人口は大きく異なりますが(ニュージーランドは5百万人くらいです)、日本と似たような自然環境なので、ニュージーランドとの比較で日本を見てみて、ちょっと考え込んでしまいました。わが国の力は戦後確かに製造業の分野で伸びてきましたが、考えてみると豊かな自然、安全な社会(最近は必ずしもそうではないかもしれません)、注意深く保存されている様々な史跡、穏やかで親切な国民、そしておいしい食事(魚はもちろんですが、果物のおいしさなどは世界一でしょう)、体に優しい温泉、などなど世界に誇れるものは山ほどあります。
平和を大事にし、地球環境を大事にすることはもちろん重要ですが、すぐに技術、技術と騒ぎ立ててまた輸出立国を指向するのではなく、こんな日本の素晴らしいところをもっと世界の人に知っていただく、そしてそのために世界のさまざまな国から日本にもっと来ていただくということも重要ではないでしょうか?世界の若者が日本で勉強し、その素晴らしさを身をもって経験する、またそういう人たちに国民の一人ひとりが温かく接する、そんなことを誇りを持って進めていきたいという気がします。
話は変わりますが、このところ新党ラッシュ。立ち上がれ日本、首長連合、舛添新党、それに地域では橋下新党、どうも民主党には幻滅し、一方では自民党は崩壊の一途にあるので、何とかキャスティング・ボードを握って、政界再編のトップランナーに立ちたいということのようです。
でも、首長連合は国会議員の半減などを主張してはいるようですが、いずれも地方・国の違いはあるにしても従来型の政治家です。そして今の制度を前提に動いているだけです。もっと言えば、そもそも政策の理念というか、一体日本をどんな国にするつもりなのか、見えてきません。ニュージーランドの例を見ると、ひたいに皺をよせて、お互いに相手の弱点を突き合うネガティブな議論ではなく、もっと我々が夢を持てる国の方向性が示せるような気もします。
前にもちょっと書いたかもしれませんが、そもそも三権分立にしても、議会制民主主義にしても、日本は欧米の制度を踏襲しただけです。そして、明らかに新たな政党の中心人物を含めて、今の政治家が、或いは国会議員が、実際の政策において国民の意思を反映しているとは思えません。民主党のマニフェストが如何に社会のニーズに合わないものだったかをその後の政策の出来方で検証すればよくわかります。政治の仕組み自体が今の社会にはもう合わなくなってきているのではないでしょうか?
そういう状況をきちんと認識して、国の在り方についての理念を示すとともに、新たな仕組みへの具体的なステップを示せるリーダーが求められていると思います。残念ながら、今の与党にも、野党にも、そして新党にも、そのような覚悟が感じられないのは、私だけでしょうか?