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先祖還りの東京中心成長策?

先祖還りの東京中心成長策?

マイク 丹治

セールスジャパンという、中小企業・ベンチャー企業向けの営業代行・販路開拓の会社で会長を務める傍ら、いくつかの会社の顧問に就任しており、更に政策シンクタンク・構想日本で政策提言を行っています。

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ちょっとタイトルが漢字ばかりで恐縮ですが、この間の成長戦略で一言。

大体、以前から私が主張していることの繰り返しになってしまいますが、都心の建築に関する容積率を上げることで、都心の更なる高度化、海外からの流入を含めた成長の起点とするというようなことが成長戦略に載っていたのが気になりました。

例えば、高層化することでより緑を増やすとか、エコシティを目指すとか、更なる国際化をとか、東京という都市を、海外からお出でになる方々にとってもより快適に、とかいう話はもちろん理解できるのです。ただ、わが国の経済が停滞すると必ず出てくるのが建築基準の見直し、その結果としてこの一見高層ビルですごいけれど、高さも形もガチャガチャの不統一な街、そして相変わらず道路が曲がりくねり或いはとても狭くて通りにくい街なのです。

ましてや、国土の不均衡な発展、地方の人口流出が叫ばれている現状において、何故都心の容積率なのか、何故更に一極に集中させようとするのか、成長戦略も結構ですが、そもそも20年、30年先にどのような国になっていることを目指しているのかが見えないですし、もっと言えば高度成長期と同じことを繰り返すの?としか思えないのですが。

これも前に指摘したことですが、日本は企業経営において長期的視野で投資をし、開発をしてきた、それが高度成長の牽引車だった、と言われていました。今でも、日本の企業経営はそのような考え方で行っているとおっしゃる経営者の方は多いと思います。私から言わせれば、今は長期的視野というよりも長期安定志向というかリスク回避型という感じですが。

そして、その対極にあるのがアメリカ型の四半期決算、キャッシュフロー現在価値、株価中心主義であると言われます。確かに、現在の財務諸表と会計処理を前提とした経営が、どちらかと言えば短期的な収益などに着目したものになっていることは否定できず、更にこれに毒されて同じような経営に陥っている日本企業も増えてきていると感じています。

でも、一方で誰もが習ったアメリカのニューディール。当時の必要性からは想像できないような巨大なフーバーダム、そしてNYとNJの間を結ぶ、わざわざ工事量を増やすためS字になっているタッパンジー橋。これらはもちろんそもそも大きな工事をして、経済効果を上げるためでした。でも、私が着目したのはジョージワシントン橋。当初は1段で作り、その後交通量が増えて2段になったのですが、最初からこれを予測して2段に出来るようになっていたとのこと。

要は、企業経営は短期的視野でも、公的分野は長期的視野で進めているのがアメリカではないか?ということです。もちろんこれは単なる例。本当にすべてがそんなはずはない。でも、一方で首都高速を見て、彼我の差を考えると一目瞭然ではないでしょうか?そして、そのことが最初に述べた容積率などの建築基準の頻繁な見直しや原発対応などに表れているように思えます。

そろそろきちんとしたグランドデザインを考えないと、次のステップがないような気がしているのは私だけでしょうか?