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もう少し「おとな」の対応を!
マイク丹治の「グローバル・アイ」
もう少し「おとな」の対応を!
セールスジャパンという、中小企業・ベンチャー企業向けの営業代行・販路開拓の会社で会長を務める傍ら、いくつかの会社の顧問に就任しており、更に政策シンクタンク・構想日本で政策提言を行っています。
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どうも、たまには前向きのことを書きたいのだが、自分のことは棚に上げて世の中の諸氏の行動が気になる。結果愚痴というか批判ばかりで残念だ。
とある野党の党首の個人的借り入れが問題になっている。ご本人は色々と反論しているようだが、当の資金提供者が選挙資金としてと言っていて、その関係のメールも残っているということだとすれば、先の前都知事のケースよりも明確な気がする。ましてや金額も多いし、前都知事の際にも批判しておられた身だから、子供みたいに強弁するのではなく素直に謝罪するしかないのではないか?
STAP細胞の件も、理化学研究所のねつ造、改ざんという表現が、ご本人には納得できないようだ。実際に故意があったかどうかは定かではないが、さすがに論文の盗用や写真の使い回しは事実らしいので、研究者の世界でちょっとした過失で済む話ではないだろう。相応にいい年なのだから、さすがにやっていけないとは知りませんでしたでは済まないはずだ。重過失はあると言わざるを得ず、重過失は故意に限りなく近いのだから、これも子供のようにダダをこねるのではなく、恥ずかしいと思わなければならない。STAP細胞の真偽はこれから更に世界中で検証するのだろうが、それと離れてこのような論文自体とご本人の対応が、わが国科学技術の恥と言われても仕方ない。
総理は、何が何でもご本人の言う積極的平和主義を実現するために、集団的自衛権の行使や武器輸出規制の緩和をしたいようだが、オバマ氏のようにノーベル平和賞でも欲しいのだろうか?だが、国民の幻想からは大きく離れて、わが国が国際社会において製造業や技術力の世界でもさほど評価されなくなってきていること、だからこそ平和憲法を本当に大事にしなければならないことを再度認識して欲しい。政府解釈で憲法が事実上改正できるなどと考えているとすれば、それこそ戦前の枢軸国と同様国民を忘れた専制君主と言われても仕方ない。
武器輸出の原則は変わっても、是非軍需産業に関わる企業の経営者は、一時の金儲けなどに拘らず、わが国の戦後の平和主義の意義を重んじて、現実の事業においては輸出はしないという対応に徹して欲しい。
ちょうど新年度が始まり、新入社員が新たに社会人になる時期だ。自分が新入社員のころは、そもそも社会のことや会社のことなど、殆ど情報は限られていて、何も分からないまま入社し、見よう見まねで徐々に仕事の仕方や会社の仕組みなどを理解していったものだ。
最近は、テレビに加えてネット情報も充実しており、学生レベルでも相当事前の知識を持って入社しているのではと思う。ただ、情報として持っていても身についているかどうかは別の問題。STAP細胞の論文ではないが、容易に情報が手に入る故に、自ら考えるという力が落ちてきていると思われるし、すぐに正解を求めるという傾向が見受けられる。
また、転職がもてはやされる結果、立派な会社に入社しても2-3年で辞めてしまう例も多いようだ。もちろんそれでも短い期間で実力をつけて、次々と成果を上げるケースもあるだろう。しかし、社会というものは、長い時間をかけてその仕組みが作られており、それを自分のものにするには相応の時間がかかる。気に入らない上司などもいるとは思うが、まずは修行と思って数年は我慢してみることを勧めたい。それが、仮に転職しても、基礎が出来ているということで大きな飛躍につながるのではと思っている。もちろんこれまでのやり方がすべて正しいというつもりはないが、これを変革するにも、その仕組みを理解していた方がやりやすいはずだ。
そして、その中で起こっている事態を良く見極めて、自ら課題を抽出しその対処法を自分の頭で考えるというスキルを身につけて欲しい。教科書の尖閣や竹島の記載が話題になっているが、そもそも教育で国土などに関する認識を植えつけるというのは、周囲の国のやり方だ。それに対抗して同じやり方をするということ自体が子供じみている。所詮認識が変わりようもないのであれば、対立を生むやり方でなく、もっと大人の対応が出来ないのかと思う。それが、社会人として、長い人生の中で起こる様々な波に的確に対処するすべでもあると考える。