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笑顔があふれる世界を!

笑顔があふれる世界を!

マイク 丹治

セールスジャパンという、中小企業・ベンチャー企業向けの営業代行・販路開拓の会社で会長を務める傍ら、いくつかの会社の顧問に就任しており、更に政策シンクタンク・構想日本で政策提言を行っています。

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ワールドカップサッカーは、日本代表は残念だった。やはりこれが実力なのかと思う。ただ、一つ気になったのが、代表の各選手に笑顔があまり見られなかったこと。もちろん各国の選手とも緊張していたはずだが、特に日本選手のこわばった表情が目立った。もちろん勝負である以上勝つことが目標だが、やはり楽しむ精神は必要ではないか?あれだけの素晴らしい選手たちが集まっているのだから。

さて、どうも来週には集団的自衛権に関する閣議決定がされる見通しだ。今回の一連の流れを見てきて、特に感じたのは与党において本来立憲政治を守る立場にいる政党も腰砕け、野党も結局十分な反対が出来ず、そしてマスコミに至っては、第三者的な解説の場の提供に終始したということだ。

民主主義は多数決の論理が重要だ。だが、同時にそれだけでは不完全なので、これを修正する仕組みも作られているとともに、数的弱者の考え方を尊重する理念も求められる。だが、今回の流れを見ると、多数の論理を盾に、単に総理がやりたいことに皆が追随する、或いは皆が止められない、というようにしか感じられない。まさにファッショと言って良い状況に感じられる。

現行憲法を押し付けだとか、自分で作っていないとかいう主張がされるが、仮にそうだとしてもこれを修正するには一定の手続きが必要だ。そして紛争解決の手段として武力行使を禁じる憲法の精神に則れば、集団的自衛権を認めるというのは、明らかに憲法の趣旨を逸脱しており、これは行政による恣意的法改正としか言いようがない

わが国は、東西冷戦構造の下一人勝ちを許される環境の中で高度成長を実現し、今の豊かな社会を築いた。だが、一方で高度成長のひずみから社会のシステムが変容し、徐々に社会から笑顔が失われてきている。更に、これに追い打ちをかけるように、世界の諸国から平和を尊重する国として評価されてきた大きな柱を取り外し、友好国とそれ以外という図式をもとに対立の構図を作り出すことが、本当にわが国、或いはわが国国民のためなのか?

確かに、様々な周辺国の動きや、イスラム圏の一部における原理主義の台頭などの気になる事態は存在する。だが、それを対立軸ではなく、お互いに理解を深めるとともに、経済・社会の一部の側面で同じ価値観を共有することで解決していくということもあり得るのではないか?政府関係者は、これがどれだけ周辺諸国との関係を損ねるか、そしてそこで活動するわが国国民やわが国の企業、更にはその国々や世界の人々にどれだけの大きな負担を強いることになるか分かっているのか?

対立軸、武力などを背景にしたものではない国際関係の構築こそが、わが国国民、更には世界の人類に笑顔を溢れさす源なのではないか?対立する宗教観を持たず、訥弁で心優しく、そして最近失われてきているかもしれないがひたすら勤勉なわが国国民が、世界の平和に果たせる役割はそれこそ無尽蔵にある。