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マスコミのレベル
マイク丹治の「グローバル・アイ」
マスコミのレベル
セールスジャパンという、中小企業・ベンチャー企業向けの営業代行・販路開拓の会社で会長を務める傍ら、いくつかの会社の顧問に就任しており、更に政策シンクタンク・構想日本で政策提言を行っています。
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また明日から海外でドタバタだ。今週は、どこかのテレビ局でアナウンサーと有名なデュオの一人との披露宴のことが結構長時間流れていたのが気になった。自局のアナウンサーの披露宴について流すことなど、そもそも異常であるという認識はないのだろうか?民放とは言え天下の公器、学芸会気分ではしゃぐ同僚たちの状況は常軌を逸している。
このようなレベルだから、橋下大阪市長の動きについても、極めて断片的。もっと真面目にその主張を理解しようとして、それを国民に伝えるべきだと考える。これに対して、橋下氏は、さすがにマスコミ慣れしているし、その伝え方も上手。だから、国民の期待が彼に向くのだろうと思う。
例えば、バス運転手の報酬の問題、もしあんなに民間とかい離があるのであれば、これを減額するというのはおそらくほとんどの人々の賛同を得るだろう。もっとも、当の運転手たちにとってはいきなりの減収は難しいだろうから、何らかのソフトランディングのための方策は必要だと思うが。
要は、彼の施策の提示の仕方が、極めて明快で且つ「大阪都」のように斬新に見えるので、これまで細川政権でも民主党政権でも実現しなかった本当の改革が実現するという期待感を抱かせるのだ。このことを理解せず、ただ彼にすり寄っていく多くの大政党を見ていると、彼らに未来はないと言わざるを得ない。
但し、橋下氏の政策を見ると、必ずしもきちんと詰まっていないものが多いし、ある意味であまりに大向こう受けを狙ったとしか思えないものも多い。教育委員会廃止の上で、教師の評価を父兄にというのなどは、わが国国民の民度が相当程度下がっていて利己主義の親がかなりの比率を占めるという実態を理解していないとしか思えない。
大阪都構想にしても、そもそも何がやりたいのか良く分からないが、仮に大阪市を人口30万くらいの行政単位に分割して、東京23区のようにしたいのであれば、現在は大阪府知事も仲間なのだからとりあえず大阪市を分割して、人口30万程度の市の集まりにし、そのうえで府がある程度自治権についてそれらの市に事実上委譲すれば足りる。
重要なのは、実質的に何を目指すかであり、現在のわが国には相応に様々な工夫を凝らした仕組みが用意されている。問題は、これをどう活用するかであって、大向こうを張った格好の良い改革を行うことではない。このあたりを良く見極めて行きたいところだ。
閑話休題。マスコミにも、そのような基礎勉強とこれを踏まえた議論の展開を期待したいが、例えば被災状況一つとっても、仮設住宅が出来ないとか、寄付金の配分がされていないとか、食糧が足りないとか、断片的な報道だけが目立っている。
被災した人々は、家族を失い、住居を失い、生活基盤を失い、更には近隣のコミュニティを失っている。そして、原発周辺では、自分のいたところがそもそもいつ生活可能になるのかすら分からない。
このような状況に対して、人間として何が必要なのか、それにたいして実際に地元自治体、国や支援自治体、支援団体などは何をしているのか、何がまだ足りないのか、ということをきちんと整理して国民に伝えている報道に接したことがない。
もちろんこんなことは行政の責任だということかもしれない。しかし行政だけでは限界があるからこそ、報道の目が生きてくるはずだ。それが自局のアナウンサーの披露宴報道では、日本のテレビ局が消滅する日も近いと思わざるを得ない。