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歴史は大事、でも前向きに!
マイク丹治の「グローバル・アイ」
歴史は大事、でも前向きに!
セールスジャパンという、中小企業・ベンチャー企業向けの営業代行・販路開拓の会社で会長を務める傍ら、いくつかの会社の顧問に就任しており、更に政策シンクタンク・構想日本で政策提言を行っています。
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今週気になったのは、アメリカのNY州議会で従軍慰安婦に関する決議が上院を通過したというニュースだ。
従軍慰安婦問題は、その事実の有無や内容については色々と議論があるところだが、仮に事実とすればもちろん人権に関わる問題で、このようなことを許容してはいけないという趣旨は理解できる。
しかし、国家間の補償問題は既に決着しており、しかもはるかかなたのNYの議会で何故議決を要するのか、全く理解に苦しむ。昨年の韓国大統領の竹島訪問後に天皇に謝罪を求める発言があったように、竹島問題を有利に進めるために、わざわざ米国を動かしているとしか思えないのだが、どうだろうか?
確かに、日本はその四方を海に囲まれていること、従って単一民族であること、などから諸外国との衝突は歴史的に見て少なく、結果として民族間の争いなどに関して、忘れっぽいというか歴史を重視してこなかったところがあると思われる。その意味で、従軍慰安婦問題にしても、南京大虐殺にしても、事実をきちんと整理し理解しておくことは必要だと考える。
だが、一方で、未だに覇権主義に基づいて領土を拡張しようとし、或いは終戦後のゴタゴタにまぎれて、または講和条約調印直前に、領土を確保するという行為を、何故わが国は傍観しなければならないのか?
戦後65年以上が経ち、その間様々な国際貢献もしてきた日本が、何故未だに責められ続けなければならないのか、未だに敵国条項の残る国際社会のわが国に対する扱いには、納得できないものがある。
確かに勝てば官軍、だがNY州議会について言えば、そのような干渉をするのであれば、そもそももっとも残虐な原発というものを、非戦闘地帯に落としたという人類に対するもっとも卑劣な行為を行った米国の責任はどう考えるのか、是非問いたい。
ともかくも、我々は改めて歴史を紐解き、その認識を踏まえて諸外国のわが国に対する認識を念頭において、でも前向きに、どうすればより良い関係、そして国際社会を築けるか考えていくしかない。
しかし、それにしても円安の進行に喜ぶマスコミの報道には理解に苦しむ。折しも、製造業従事者の数が1千万人を切ったという報道があった。経団連が製造業中心だからか、常に輸出立国と考えるのがコンセンサスのようだが、GDPにおける第二次産業比率はとうの昔に3割を切っている。この国は、サービス産業国家であり、貿易収支は赤字なのだ。
その限りにおいて、円高のうちに出来るだけそのメリットを享受しておくべきだ。為替は明らかにわが国の財政状況を踏まえて更に円安に進む。そして、最終的には、わが国の国富はこれまでの半分の水準に低下するだろう。株価が上がっているのは、円安だから、海外投資家が日本株投資のドルベースの評価を下げないため。
本格的に円安が進めば、財政力のない国の株など誰も買いはしない。そろそろこの事態の本質に気づき、これからの金融経済の運営方針を真剣に検討すべきではないか?ひょっとすると、今こそ円の国際化、基準通貨化を進めるべき時かもしれない。