誠ブログは2015年4月6日に「オルタナティブ・ブログ」になりました。
各ブロガーの新規エントリーは「オルタナティブ・ブログ」でご覧ください。
普通の国になろうー消費税は論点ではない
マイク丹治の「グローバル・アイ」
普通の国になろうー消費税は論点ではない
セールスジャパンという、中小企業・ベンチャー企業向けの営業代行・販路開拓の会社で会長を務める傍ら、いくつかの会社の顧問に就任しており、更に政策シンクタンク・構想日本で政策提言を行っています。
当ブログ「マイク丹治の「グローバル・アイ」」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/miketan/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
政治への落胆
今日からコーラスの合宿なので、ドタバタしています。
参議院選挙が終わり、民主党は想定以上に議席を失いました。そして、菅総理が直前に消費税増税を示唆したことがその敗因と言われています。でも、そう思っているのは、マスコミと政治家だけではないでしょうか?
ギリシャの例を見るまでもなく、有権者はわが国の財政問題が大きな課題であることは分かっています。そして、そんな環境下では、福祉の確保のために消費税増税が不可欠であることは十分に理解しているのです。今や先進諸国では消費税が二桁%であることは当たり前で、消費税増税はまさに普通の国になることなのですから。
問題は、消費税ではない。もちろん一部のマスコミの指摘するように、一方で増税の前に歳出カットなどやるべきことがあるのは事実ですが、そもそも有権者が政治というものに幻滅したということなのだろうと感じています。昨年の総選挙で歴史的な転換を試みたが、結果マニフェストは守られない、言うことがコロコロ変わる、その説明すらない、政局だけが重要で、議席だけが重要で国民のことを考えていない、そういう点で自民党も民主党も同じだ、という審判を下したというのが実態だと思います。
いや、みんなの党がある?計算してみてください。民主党+みんなの党=54議席、つまり元の民主党の議席なのです。もちろんみんなの党は政権にはいないので、違うのではという期待があるのは事実ですが、要はその分だけ民主党から流れただけ、何も変わっていません。
経済界は目を覚ませ!
でも、だらしないのは政治だけではありません。成長戦略とか、法人税の引き下げとか言われていますが、そもそも昨今の財界のメンバーを見てください。世界の経済界に出して立派に議論できる経営者がどれだけいるでしょうか?全く小粒、理念なき収益至上主義者の集まりです。
企業の目的はもちろん利益です。ただ、その利益は従業員が安心して一生懸命働くことからしか生まれません。そして、顧客の求める製品やサービスを、適正な価格でタイムリーにそして十分な品質を守って提供出来なければ、企業は存続できません。そして、企業にとってこのような継続的成長を実現する上で、自らが活動する基盤である国家の政治が安定していることは極めて重要です。
だとすれば、もう少し財界が政治に対してしっかりとモノを申す必要はないのでしょうか?二言目には、法人税を下げてほしい、成長戦略を作ってほしい、いつでも国に依存するだけ、加えてとうとう発電所や鉄道の海外プロジェクトには国の助けがないと勝てない、そんな産業界に未来があるとは思えません。自分で切り開いていくことが、自由主義世界においてはすべてだと考えます。
今週のエコノミストに、日本で働く中国人を始めとした外国人の過労死が取り上げられていました。相変わらず勝てもしない価格競争に明け暮れ、そのために一方で若者はきついから嫌だと言ってニートになり、弱者だから助けてと言う。方や、そのきつい仕事を外国人に低賃金で押し付けて、過労死を惹起する。
今、日本の一番重要な問題は経済成長ですが、これは経済界が自ら死に物狂いで実現すべきことであり、そのために必要な施策は行うべきですが、これをすべて政治に求めること自体甘えでしかありません。
カジノを作ろう!
ずいぶん前からカジノの解禁論があります。でも、ギャンブルは政治的には危険な話題なので、自民党も民主党もなかなか持ち出せない、そんな状態が続いています。一番の問題は刑法のとばく禁止条項です。ちょうど大相撲のとばく問題で有名になりました。
カジノを解禁するには、この条項に例外規定を設ければ良い、ということになります。もはや世界中にカジノはある。そもそも人類にとって賭けごとというのは自然な行為だから、普通の国になって解禁すれば良い。あくまで例外なのだし、というのが一般的な考え方だろうと思います。私ももちろんカジノ解禁には大賛成です。
でも、一つ注意しなければならないことがあります。日本には競馬など公営ギャンブルがあると同時に、一方でこれに近いものとしてパチンコ・パチスロがあるのです。つまり、もし現金で直接賭けが出来るカジノを認めると、では何故他のギャンブルは公営でなければならないのか、何故パチンコなどは機械も似ているのに、景品があるのか、などの問題の解決も必要になるのです。でも、私はあえて言いたい。日本のサービスレベルでカジノを作れば、世界中の人が集まる娯楽の殿堂が作れる、ですから是非アクセスが制限できるところで、早急にカジノを始めましょうと!
実は雇用が一番大事ではないか?
閑話休題。一方で、どう考えても、3億人プロジェクトをスタートしない限り、今のレベルの年金や医療は無理なので、これは出来ないと宣言するしかない。しかし、仕事がないのは困るので、ちょうど政府に無駄があるのであれば、それこそそこで求職者を雇用すれば良いのでは?きっと500万人くらいの雇用は十分に国と地方で賄えるだけの無駄があると思います。少なくとも、生活保護を行うとかより経済的にプラスですし、働けば税金を払うし年金の保険料なども払うのですから、結果として財政にはプラスになるのではないでしょうか?
その上でやはり国の負債は大きすぎるので、消費税の増税が不可欠です。つまり年金や福祉のために増税するのではなく、これは減額しても増税は財政再建に必要なのです。でも、ここまでやればきっと資産家の資産に一部課税するとか、お金持ちから少し分けていただくことも理解を得られるのではないでしょうか?