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チームの「なんとなく」をつくる会議のために その3

チームの「なんとなく」をつくる会議のために その3

宮井 弘之

79年生まれ。大手広告会社コンサルティング局所属。近年は、共創力を組織に根付かせるための各種ビジネスソリューションの事業化を推進。著書に『だから最強チームはキャンプを使う』(共著 インプレス社)がある。会議に関する専門資格、会議エキスパート認定試験を主宰。

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前回のエントリーのつづきです。


なんとなくチームがうまく機能せず、なんとなく全員のまとまりがなく、なんとなくちぐはぐな原因は、この「らしさ」を共有できていないことにあります。つまり、メンバーたちは感覚面での基準を見失っているのです。


このような状況ではいかに会議のやり方を工夫しても、ツールを工夫しても、

会議のうまいメンバーを雇用しても状況が改善されないのです。不具合の原因が特定されたように

見えて、そこだけを治療しても、原因を生み出すしくみ自体が改善されていないために

また不具合が現れてしまう様子に似ています。


この「らしさ」がきちんと共有されれば、状況は一変します。メンバーはみな、ある方向性に沿って能力を発揮し始めるはずです。


たとえば、新規プロジェクトの企画を考える場合でも、「らしさ」が共有できていれば、「こういう企画だと、うちのチーム〝らしくない〟から違う」「こういう企画はうちのチーム〝らしい〟」と、メンバーたちは自分自身の感覚でアイディアを精査でき、おのずとチームの方向性に合ったプランが立案されやすくなります。


あるいは、業務上でなんらかの判断をしなくてはならない場合でも、「らしさ」がつかめていれば、「うちのチーム〝らしい〟のは、こっちだ」と、直感的にチームの方向性に合った判断をできるようになります。


結果、メンバーの営みすべてが、チームの「らしさ」という軸に収束しはじめます。つまり、「らしさ」を中心に求心力が生まれるのです。

 

では、どうすれば組織やチームの「らしさ」を共有できるのでしょうか?

次回は、その方法について、具体的に考えていきたいと思います。