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合宿を通じてチームの「なんとなく」を共有する

合宿を通じてチームの「なんとなく」を共有する

宮井 弘之

79年生まれ。大手広告会社コンサルティング局所属。近年は、共創力を組織に根付かせるための各種ビジネスソリューションの事業化を推進。著書に『だから最強チームはキャンプを使う』(共著 インプレス社)がある。会議に関する専門資格、会議エキスパート認定試験を主宰。

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前回のエントリーの続きです。

 企業やチームの「らしさ」をメンバーで共有するには、どうしたらいいのでしょうか?
 これにはいわゆるインナーブランディングとして、いくつかのテクニカルな手法が存在するのですが、そこまで専門的なアプローチをしなくても、我々が「ビジネスキャンプ」と呼んでいる合宿を用いれば、きわめてシンプルに「らしさ」共有を押し進めることができます。

 ビジネスキャンプの基本日程は1泊2日。ホテルなど宿泊が可能な施設に集まって、ディスカッションやインドアレクリエーション、アウトドアレクリエーションなどのプログラムをこなしていきます。
 その中で、たとえば、ディスカッションの時間に「自分たち"らしい"仕事とは何か」について話しあったり、「来期のビジョン」について議論したり、積極的な意見交換の場を設けたりするだけでも、ある程度の「らしさ」は共有されます。
 それに加えて、プログラムの内容に工夫をすれば、昼食や夕食で他のメンバーと会話を交わしたり、レクリエーションでなんらかの共同作業をしたりしているうちに、かなりのことがわかってきます。
 さらに、宴会をくり広げて、同じ屋根の下で夜を過ごすことで、もはや「らしさ」は当然の感覚のように共有されます。

 普段、オフィスで接しているだけでは、なかなかメンバーの個性をつかむのは難しいですよね?
 アフターファイブに一緒に飲みにいったり、週末に家族を交えて交流したりと、いくつかの異なる環境下で一緒に過ごしてみてはじめて、相手の個性を感じ取ることができるかと思います。

 それと同じで、組織やチームの「らしさ」もまた、シチュエーションを変え、取り組むタスクを変えてみることで、全体像が立体的に、身体で共有できるのです。

 そして、身体で覚えた感覚はそう簡単には消え去りません。ビジネスキャンプで確認し、共有した「らしさ」は、キャンプ後もメンバーの行動に影響を及ぼし続けます。

 実際、ビジネスキャンプを実施したクライアントからは、
 「キャンプ以降、業務の進行にドライブ感が出てきた」
 「全員で動いているような気がする」
 「別々の仕事をしているのに一体感がある」
といった感想が寄せられることが多いのですが、それも、頭ではなく感覚として身体に刷り込まれるがゆえの成果なのです。