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2011_01_11「2030年の未来 その2 新技術はどこまで実現可能か」

2011_01_11「2030年の未来 その2 新技術はどこまで実現可能か」

森 健

ジャーナリスト。1968年東京都出身。科学技術、経済、雇用、教育問題などを軸に活動。著書に『ぼくらの就活戦記』『就活って何だ』(ともに文春新書)、『脳にいい本だけを読みなさい!』『グーグル・アマゾン化する社会』(ともに光文社)、『インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?』(アスペクト)、『天才とは何か?』(数研出版)ほか多数。

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 森 健の『ニュースを解く読書』

     --- Dive Into Books with News ---  2011/01/11 vol.6


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<< CONTENTS >>

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【1】今週のテーマ >>「2030年の未来 その2 新技術はどこまで実現可能か」

【2】今週の1冊    >>『全予測2030年のニッポン 世界、経済、技術

はこう変わる』

  <書名・著者・出版社・定価・amazonリンク>

  <版元による「内容紹介」の引用>

  <目次>

  <要約>

【3】解説と雑感    >>「技術の産業連関と実現可能性」

【4】おまけ 

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【1】今週のテーマ 「2030年の未来 その2 新技術はどこまで実現可能か」

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 今月は4回にわたって、この少子高齢化と人口減少を睨んだ未来に関して

の特集で、今回はその2回目である。


 ちょうど昨夜のNHK「ニュースウォッチ9」で、英紙Economistの記者が

NHKとの合同取材(というより、NHKが先般話題を呼んだEconomistの記者

に話をしたのだろう)で、長崎の街を訪れたり、仙台に取材していた。

 同誌が大きく扱った「Japan Syndorome」は、少子高齢化と人口減少が

テーマだったが、まさにそれを現場レベルで見るという企画だった。


 三菱重工の長崎造船所の街に入った記者は、中心部から10分ほどの場所

で、すでに地域住民の90%が60歳以上と聞かされ、また、あちこちで放置

された廃屋を見て、驚きを隠せない表情だった。

 市内のデパートの4階5階はすでに閉鎖されており、衣類はほとんど高齢者

向け。配達業務の28歳の若者の給与は13万円で、同棲している彼女とは結

婚はできても子どもはつくれないと嘆いていた。彼女が産休・育休で休んで

しまえば、生活が成り立たないということだった。

 すでに何度も言及されている現象だが、こうして現場レベルでの言葉や実

態が映像で捉えられるインパクトは大きい。

 今夜も続編があるようだが、今後この手の番組は多く増えていくだろう。


 今日の1冊は下記。

 

『全予測2030年のニッポン 世界、経済、技術はこう変わる』

 三菱総合研究所 産業・市場戦略研究本部(2007年2月刊)


 前回の東大の本と比べて、非常に顕著な違いは技術への言及が非常に多い

ことだ。これは三菱総研の狙いでもあるだろうが、技術が次の産業にどのよ

うに影響し、どこに日本が注力すべきかを理解しているからだろう。

 東大の本では、非貿易のローカルな取り組み(それは内需とも異なる社会

的な問題)が中心であったため、生活者の視点がベースだったが、本書では

マクロの問題、とくに次の産業にどうフォーカスしていくかが重要な提案に

なっている。


 また、比較的冒頭の章で安全保障に論を割いているところも、他の本では

あまり見られない特徴だ。グローバル時代になって、経済や貿易のことばか

りに議論がいきがちなのは確かだが、その支えに安全保障やアライアンスと

いった政治的な縛りがあり、その議論を押さえているのも三菱総研らしい視

座のポジショニングである。


 ただし、難点もある。いくつかの章で「未来イメージ」というコラムが設

けられ、そこで将来はこんな風になっている、という小説風の文章があるの

だが、そこはいまひとつ説得力に欠ける。

 どこまでそれらが実現可能なのか、といった材料が弱く、若干技術社会論

的な罠にはまっているためだ。

 また、リーマンショック以前、および民主党への政権交代以前の刊行のた

め、GDPの伸びなどでまだ前向きな数値がとられているところも、いま読む

と若干の疑問符がつくところもある。


 ともあれ、目配りの仕方としては、よくできており、産業ベースで考える

ときの参考になるのが本書だ。

 

※以下はfoomiiでお読みいただければ幸いです。