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どこまで必要?企業サイトのマルチデバイス対応

どこまで必要?企業サイトのマルチデバイス対応

石嶋 洋平

株式会社ミスターフュージョン代表取締役 Webプロデューサー。若手No.1Webプロデューサーとの呼び声も高い。宣言会議でソーシャルメディア×スマートフォンについて連載中。2011年に書籍出版予定

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昨日発売の宣伝会議に寄稿した内容の抜粋です。

ぜひ気になった方は買って読んでください。 購入は「宣伝会議」12月15日発売号


スマートフォンの浸透など生活者が接するデバイスが多様化し、自社サイトやコンテンツの対応を考える企業も増えている。企業においてWEBサイトのマルチデバイス化はどこまで進める必要があるのか。

「宣伝会議」12月15日発売号では、特集「PC×フィーチャーフォン×スマートフォン マルチデバイス時代の企業サイト」をテーマに特集を組んでいる。特集ではマルチデバイス化の現状、その変化が与えるユーザー行動への影響HTML5など、具体的な対応において必要な知識をレポートした。本誌発売に先立ち、特集に掲載のミスターフュージョン・代表取締役の石嶋洋平氏が答える「マルチデバイス対応は、どこまで必要?―対応を考える前におさえておきたいポイント」を2回に分けて紹介する。


ミスターフュージョン代表取締役 石嶋洋平

日本においてもスマートフォンが普及し、また携帯端末やタブレット端末技術も進化し、企業サイトやマーケティングサイトをどう考え、環境変化に適応させていけばいいのか、という質問をよく受ける。どうしたらマルチデバイスに対応できるのか。そもそも、マルチデバイスに対応する必要があるのか、などよく寄せられる質問に対し、私の経験から考えをまとめてみた。私自身が今、マルチデバイス対応において必要と思う考え方は以下の3つである。

  1. マルチデバイス対応サイトの目的を明確にする
  2. アクセス解析に基づき目的達成までのプロセスを明確にした上で、マルチデバイス対応を考える
  3. 外部リソースを効果的に活用する

この3つの考え方をベースに、今後の計画策定に役立てていただけるような解説をQ&A形式でしていきたいと思う。

Q.そもそも「マルチデバイス対応」とは何?

現在の企業サイトやマーケティングサイトは、PCでの閲覧用に制作されており、近年利用者の増えているスマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット端末などでは一部のコンテンツが表示されない(崩れて表示される)場合がある。マルチデバイス対応とは、これらの問題を回避するため、様々なデバイスにサイトを対応させるという意味だ。Androidでは、Flashは再生できるが、iPhoneやiPadでは再生できない。このような場合、Flashの動画部分をJavaScriptで動画表現したり、HTML5でコーディングをするなど、デバイスごとの対応を行う必要がある。

Q.マルチデバイス対応サイトはPCサイトとアクセスを奪いあうことはないの?

必ずしもそうとはいえない。当社のクライアントである音楽業界の某サイトでは、マルチデバイス対応を行った後のアクセス数において、「1位スマートフォン対応サイト、2位PCサイト、3位フィーチャーフォン対応サイト」となり、既存のサイトのアクセスは減少するばかりか、新設サイト分のアクセスが積み増される結果も出ている。

Q.マルチデバイス対応しなければ!と思う前に、まず確認しておくべきことは?

何よりも大切なのは、サイトの目標設定だ。目標とはユーザーの購買行動に沿って設定するもので、「売上」や「商品情報の閲覧数」などがこれにあたる。それらの目標を達成する上で、適切なデバイスを選ぶことが必要だ。

目標設定は、まずユーザーの購買行動を整理することから始まる。商品・サービスとユーザー層ごとに細分化して、ネット接触行動を分析していく。例えば、次のようになる。

例)「移動時間などの空き時間に商品を検討し、帰宅して購買」、「友人・知人と話しながら商品を検討・購買」、「テレビや街頭看板など他の媒体に影響されて商品を確認し購買」

これらの購買行動においてスマートフォンやフィーチャーフォンが果たすべき役割(目標)を確認した上で、マルチデバイス対応を行うか検討すると良い。

Q.すべてのコンテンツを対応させる必要はないの?では、どうやって必要なコンテンツを把握すればいいの?

マルチデバイス対応というと、全ページ、全コンテンツの対応が必要と考える担当者も少なくない。しかしPCサイトやフィーチャーフォン対応サイトを見ても、全てのコンテンツが目標達成に寄与しているわけではない。

そこでマルチデバイスに対応する際にも、目標達成につながる重要なコンテンツを選ぶ視点が必要だ。既存サイトにおいて、成果につながったユーザーの行動分析を行えば、何が鍵となるコンテンツかは見えてくる。大前提として設定した目標(CVやPV)に至る主要なページ遷移を確認し、まずはトップ10を対象に対応を考えたらよいのではないだろうか。

※石嶋洋平氏による全2回の記事は「宣伝会議」12月15日発売号掲載の特集「PC×フィーチャーフォン×スマートフォン マルチデバイス時代の企業サイト」から抜粋したものです。