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ツッコミのある空間がソーシャルグラフを揺らす

»2011年11月30日
mushatter武士道ブログ

ツッコミのある空間がソーシャルグラフを揺らす

武者 慶佑

1982年生まれ 宮城県仙台市出身 株式会社シェアコト / サブカルプランナー 一般企業のプロモーションとアニメを掛け合わせた企画を専門で作っています。 過去実施クライアント様 ドコモ様、ローソン様、マイクロソフト様、GMOインターネット様、など大手企業様の企画を中心に企画を実施。 アニメ活用マーケティングを数字とフレームワーク理解するNED(TEDのパクリ)なども実施。

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■チェックインポイントの共通点

前回の「3W」の話で、日本におけるチェックインの可能性に触れたましたが、では現在、Facebookにおいて、日本で一番チェックインされている場所を皆さんはご存知ですか?

socialbakersによると、11月29日時点でのTOP10は以下の通りです。


socialcheckin.jpg


ぱっと見でわかるように、上位でチェックインされるのは「駅」が多くを占めます。11位になると六本木ヒルズ、13位にユニバーサルスタジオ、20位にディズニーランドが入ってきます。

なぜTOP10は駅ばかりなのか。推測になりますが以下の2つのことは考えられないでしょうか。

・デバイス的な理由:移動中で常にモバイルに触れている

・マインド的な理由:発着を表す意味合いで位置情報と連動しやすい

デバイス的に電車に乗っているときなど、移動中はモバイルがアクティブになっているため、チェックインをしやすい状況にある。

そしてマインド的には、駅という場所柄、乗換案内など位置情報と親和性の高いアプリを起動させており、そのままの流れで発着を知らせる意味での「とりあえずチェックイン」をしているのではないでしょうか。


アジャイルメディア・ネットワークの調査では電車内では88.4%の人が携帯やスマホに触れている、また、携帯やスマホではWEBサイトや乗り換え案内を見ているとの回答が多く見られます。

電車の中で.png

 

スマホでなにしてるか.png

 

しかし、空間とソーシャルをつなげるにあたって、いくらチェックインが多いからといって、空間の作り手は今更「駅」をベンチマークして作ることはできません。

それでは空間の作り手はどうすればいいのか、僕は実は1位である成田空港にこそ空間とソーシャルをつなぐ一つのヒントがあると考えます。


■位置情報の先の隠された情報

成田空港に行くということは、よほどのビジネスマンでない限り、一人の人が頻繁に成田空港でチェックインしているとも考えられないので、このチェックイン回数は限りなくユニークに近いものだと思います。 それでも1位を獲得しているということは、この「成田空港」という空間はよほどの人数の人が「成田空港にいる」という情報を発信したいと思わせる「何か」があるはずです。

その「何か」とは、場所の先にある隠された情報ではないでないでしょうか。つまり、成田空港にいる人は、「これから〇〇(国名)に行く」「〇〇(国名)から帰ってきた」という位置情報の先にある、隠された情報の方を「成田空港へのチェックイン」を通して伝えたいわけです。  

実際、「T-rexa※」で調べてみると、チェックインと共に語られている内容は、以下のような場所や帰国を表すものでした。 

(※「T-rexa」 はシェアハウスの同居人から教えてもらったソーシャル位置情報アクティビティ解析サービスです) 

成田空港2.jpg


■場所が目的化しないこと     

ところで、チェックインランキングの11位、13位、20位の六本木ヒルズ、USJ、ディズニーランドに注目してみると、一つの共通項が見えてきます。それは、その場所自体が目的になっているということです。  

つまり、「六本木ヒルズ=ショピング」ですし、「USJやディズニーランド=遊んでいる」で、場所の名前だけがチェックインされればその先の目的が暗にわかります。  

これはこれで空間としての価値が高く、ブランディングができている点では素晴らしい空間と言えますが、僕たちが新たに空間を作るにあたっては、テーマパークのように場所が目的化するような価値の高い空間を作ることは、とても難しいでしょう。

しかし、成田空港のように、場所自体の価値ではなく、場所の先にある「個人によって異なる情報」の方が本質的に価値がある空間を作ることで、情報の受け手は「その場所で何をするの?」という疑問が生まれます。

つまり、情報発信者は「Where」を空間情報として発信しているものの、情報の受け手は「Where」ではなく、その先の「So What」が大切なのです。

情報の受け手にとって、「だからなんやねん!」とツッコミを入れたくなる空間を意識することでコミュニケーションの火種ができ、ソーシャルグラフが動くのではないでしょうか。