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サブカルプランナーを目指して-第2回~コンテンツの周りのコンテクスト~

»2012年10月29日
mushatter武士道ブログ

サブカルプランナーを目指して-第2回~コンテンツの周りのコンテクスト~

武者 慶佑

1982年生まれ 宮城県仙台市出身 株式会社シェアコト / サブカルプランナー 一般企業のプロモーションとアニメを掛け合わせた企画を専門で作っています。 過去実施クライアント様 ドコモ様、ローソン様、マイクロソフト様、GMOインターネット様、など大手企業様の企画を中心に企画を実施。 アニメ活用マーケティングを数字とフレームワーク理解するNED(TEDのパクリ)なども実施。

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こんにちは。
前回のブログではアニメやアイドルといったコンテンツタイアッププロモーションの際は
4CtoBで考えたほうがいいのでは?といった感じで書かせていただきましたが、

4C
・Contents
・Context
・Community
・Culture

今回はその中のでもコンテンツの周りにあるコンテクスト(文脈)について
アニメにフォーカスして書いてみようと思います。


アニメってなんだ?

あんまりヲタとか言いたくないのですが、まぁ、アニメ好きな人ってオタクって感じに言われてしまいますよね。
オタクとかで括って無視してる場合じゃないと思いますけどね。

あ、アニメと言っても、みなさんが想像する青いネコ型ロボットとかと違いますよ。
3ヶ月に1回20本~30本くらい新しいアニメが入れ替わり始まってます。

こういったアニメは「大人向けアニメ」みたいに大別していいと思います。
ここから派生して、ヱヴァとか、ハルヒとか、けいおん!とか、まどマギとか社会現象になってるわけです。
(ヱヴァはちょっと違うかもですが・・・)

アニメは大きく分けて考えると、
①子供向け
②大人向け
③劇場もの
の3つに分けられるかなと思っています。

①はドラえもんとか、ワンピースとか、クレヨンしんちゃんとか、お子様含め家族みんなでテレビで団欒するものとかですかね。

②は大人が深夜に一人でテレビやニコニコ動画で見ていて、3ヶ月に1度大きく入れ替わるアニメです。

③はジブリとかディズニーとかAKIRAとか映画館でいきなりやってしまうクリエイターの魂がこもった「作品」的なアニメです

大人向けアニメは3ヶ月やったあとに評判がいいと
2期目といった感じで少し時間をあけてもう3ヶ月やったりします。
そして、さらにファンを増やしたあと、劇場版になったりします。


コンテクストってなんだ?

で、僕が主に言う"アニメ"とは②の大人向けアニメなのですが、
このようなアニメコンテンツを見ている大人は大人がゆえにいろんなことを考えて見ています。
そして制作側もいろんなことを考えて計算して仕掛けて作っています。

つまり、"アニメは複雑"というわけです。


ですので、このアニメとタイアップしたプロモーションを展開する際は
アニメを見ているファンが何を欲しているのか、
複雑に入り組んだものを理解してタイアップする必要があるわけです。

複雑というのは、ただストーリーが複雑というわけではないです。
ゆえにストーリーを起承転結的に知っていればいいというわけでありません。

アニメには計算されたキャラクター、世界観、設定など
複数のコンテクストが入り混じっています。

そして、そのコンテクストに対して大人たちは自分なりに解釈し、
Twitterや2ちゃんやニコニコで共有し、補完し、
コミュニティを形成しながら一喜一憂しアニメを毎週楽しんで見ています。

そんなアニメコンテンツの周りにあるコンテクストをしっかりとプロモーションに取り込まなくては
コンテンツを100%生かしたとは言えません。

まぁ、そのコンテクストは不可視境界線(※1)なので、邪王真眼(※2)でもない限りそうそう捉えられませんが・・・
僕も中二病を引きずっているものの、正確には捉えきれてません。


コンテクストを読み解く

例えばヱヴァのコンテクストってどうなっているか・・・

「ヱヴァは中学生が使徒を倒しながら成長していくストーリーだ」

これでは全然ダメですね。

ヱヴァが好きっていうのは、
キャラクターの心情の変化の深さや、名言の奥深さ、
謎に包まれたストーリーの全体像、
キャラクター設定の巧妙さと絶妙な声優さんのバランス、
音楽やフォント、作画のクオリティ、
製作のスタジオカラースタッフの皆さんの歴史、
次回への伏線や謎解きの楽しみ・・・

僕がぱっと思うだけでも、これぐらいのことは理解してプロモーションを組まないと、
ヱヴァファンは反応しないと思います。

ヱヴァ専門ブログを連載していますので良かったら見てみてください)


この複雑なコンテクストを読み解くことからサブカルプランニングは始まります。
そしてそのコンテクストを消費しているファン層を見極め、
プロモーションに仕込んでいくわけです。

次回はコンテクストが形成するコミュニティについて書いてみようと思います。
明日の朝にでも更新します。


※1:不可視境界線
一般の人にはよくわからない-の意

※2:邪王真眼
常にアニメに触れてその文化圏を目利きできる人-の意