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労働組合の存在は経営者を安心させる?
理系博士研究者の一人が考えるビジネスマインドと実践例
労働組合の存在は経営者を安心させる?
ポスドク&非常勤講師生活を経て、私立大学の教育・研究職に従事する一方でポスドク時代に不動産投資を開始。職場の行き帰りの生活だけでは極めて危ういことを知るに至り、現在は会社・社会・国に過度に依存しない生き方を少しずつ実践中。
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労働組合の存在は経営者(会社)を安心させる
職場には労働組合が存在するようですが、加入した経験もなければ、
まして、会合に出席したこともありませんし、
どのような活動をしているかもよく存じておりません。
そんな中で、時々まわってくるビラというか、活動報告の類をちらちらと眺めると、
賃金や労働時間、有給休暇などに関する話題が掲載されていて、
世間一般でニュースになる例えば、春闘に代表されるような、
賃上げ等の労働条件・環境の改善を経営者側に要求する機関・団体なのだと思います。
ただ、いつも思うことではあるのですが、どうも、その存在意義というものが、よくわかりません。
労働者vs.経営者という図式が成立するなら、
きっと、労働者のための団体ということになるのでしょうが、実は逆なんじゃないかって思います。
労働組合による団体交渉は、経営者側から見ると、以下のようなメリットがあるように思います。
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・本来は、労働者それぞれの個別の案件になるべき内容が、
労働者全体として考えることができ、手間が省ける。
・組合という1つの団体との交渉になるので、
交渉が難航することはあったとしても、
労働者全てが、同時に全て退職してしまうことは考えにくいので、
一定の労働者の確保につながる。
・ベアは、経営者の重しとなる一方で、賃金の増加が想定されるような場面でも、
1000円/人・月というように、おおよその額を事前に見積もることができ、
予め、人件費の増加分を推定できる。
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単純に考えて、例えば、1000円の給料upを獲得したとしても、
そのためにかかっている時間・労力を考えたら、
もっと、他のことを考えた方が純粋に効率的なんじゃないかと思います。
ポスドクの話を既にいくつか書いておりますが、
アカデミックなポスト(大学や研究機関)においては、
ポスドクの場合にはもともと任期があるということもありますが、
できる人ほど早く辞めて次の場所へ移るというのが常で、
勿論、給料が高いに越したことはありませんが、
職があるだけでもありがたい場合も多く、
例えば、大学の研究室単位で動いているような場合でも、
研究者はみんな基本的にはピンであり、
そもそもが、労働組合的なものは成立しないと思います。
なので、一般企業にあっても、
団体交渉での賃金値上げの交渉という手段を使うよりも、
純粋に、どんどんどこかへ移っていくという流れがある方が、
経営者にとっては脅威だと思います。
優秀な人材がある日突然どこかへ行ってしまうと、
場合によっては、会社の安定的な存続すら危ぶまれるかもしれません。
そうすると、経営者は純粋に、給料upによって人材の流出を抑えるという動きにならざるを得ないのではと思います。
労働組合への加入は、「私はこの会社をやめませんよ」という
意思表示の他ならないと思います。
転職の広告で、「今の収入、低すぎませんか? 適正な収入を!」という主旨の文章を見かけますが、
適正な収入とは今の収入に他ならないわけで、
それに不満があるとすれば、自然に何がしかの手段を講じるようになるのではと思います。
労働者の横の動きが活発になることによって、
労働者と経営者が緊張感を持った信頼関係を築けるようになるのではと考えます。