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北朝鮮には自立可能になるまでの支援を?

北朝鮮には自立可能になるまでの支援を?

永松 和洋

ポスドク&非常勤講師生活を経て、私立大学の教育・研究職に従事する一方でポスドク時代に不動産投資を開始。職場の行き帰りの生活だけでは極めて危ういことを知るに至り、現在は会社・社会・国に過度に依存しない生き方を少しずつ実践中。

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北朝鮮には自立可能になるまでの支援を?

色々な人が色々な意見を言った方がよいと考えておりますので、
ちょっとした意見を書かせていただこうと思います。

テレビの報道によると、北朝鮮側が自国の領土と主張している場所での
韓国側の軍事訓練?をやめさせるという意図に基づいて、
今回の武力行使が行われ、韓国側に被害が出たというのが事実のようです。

このあたりの事実関係については、我々は一次情報を知る術を
持たないので、上記の仮定の下に話を進めます。

北朝鮮の行為は、どんな状況であっても、決して許される行為ではないと思います。

ただ、この事実から察するに、いつも思うことではありますが、
こういう強硬な姿勢というものは、北朝鮮の悲鳴の現れなのではないでしょうか?

話し合いで解決できるのが最も望ましいと、
たとえ頭の中ではわかっていたとしても、
それでは全世界へのアピールにはならない(微分として弱い)。

自国の差し迫った窮地を救うには、
より緊急性・緊迫性の高い状況(強い微分)を示さないといけない。
それくらい、切羽詰っているのではと感じます。

北朝鮮の内情について、我々のような一般人は、
テレビ等で得られる以上の情報を得ることができませんので、
表面的な情報と実情とが乖離している可能性もあるにはありますが、
少なくとも、相対的に、日本より豊かではないことは察しがつきます。

日本国内でも、怪我や病気によって働くことができずに、
もしくは、それ以外の理由でやむなく生活保護を
受けている方がいらっしゃると思いますが、

もし、それを突然打ち切られるとしたら、
自分自身を攻撃するか、外に力が向かってしまうかの
二者択一しかないと思います。

何か小さい犯罪によって、入獄する方が、
とりあえずの生活は保障されるという考えです。

北朝鮮には、まず、外に向かって攻撃しなくても済むような
心の余裕を持ってもらうことが肝要だと思います。

そのためにも援助が必要だと思います。

拉致被害者を未だに日本に返してくれない理由は、
返してしまうと、日本との関係が途切れてしまうという危機感から
というのが一つの理由だと思います。

拉致被害者を自国に抱えていれば、
時折見せる強硬な姿勢によって、
場合によっては援助を獲得することができるわけです。

なので、自国が拉致被害者を抱えていること以外に、
明確な生き延びる術を得ることできがない限り

拉致被害者は返ってこないという心配もあります。

このような考え方は、非常に腰抜け的で弱々しいという印象は確かだとも思います。
ですが、腰抜けとか弱々しいというのは
あくまで感情論であり見栄でしかありません。
見栄だけがあっても、おまんまを食うことはできないので、
見栄を張って、自国の強さを誇示することが目的ではなく、
あくまで、恒久的な平和を維持することが人類の繁栄に
不可欠な要素ですから、

そういう要素を全てとっぱらって、
どんな解決方法があるのか、
国民全体で色々と話し合ってみることが肝要であると考えます。

見栄に関してですが、個人レベルでは、
例えば、無理をしてブランド物を身につけたり、
ひーひー言いながら高額なローンの契約を払い続けて、
家を買うという行為が見栄であり、
周りの人々と肩を並べるための方便とするならば、

それが国家レベルになると、発展途上国であっても、
とりあえず、核兵器を保持すれば、
他国と対等なレベルを保つことができるわけで、
積分でだめなら微分で肩を並べようという戦法です。

つまり、

個人レベルの見栄 → 国家レベルだと核兵器

ということですね。

これらは、全て、微分積分の使い分けです。
微分積分思考法は外交にも使えると思います。
ただし、微分を使いすぎて無理をすると積分で
苦しむことになるので、注意が必要です。

拉致被害者を返してもらうという積分を達成するために、
どのような微分の積み重ねが近道なのか、

文句を言って返してもらえるくらいなら、
とっくに返してもらっているはず
ですし、
文句を言う(例えば経済制裁)という
微分が通用しないことはわかっているわけで、

どうしたら、北朝鮮が拉致被害者を返したいと
思ってもらえるような状況を作り出すことができるか

北朝鮮の立場に立って考えることが肝要だと思います。

理不尽なことをする相手を非難し続けることは、
極めて容易なこと
ですし、

それで解決できるなら、
最も望ましい方法であることは明確ですが、
そんなことをしていても、
現状では何の解決にもならない
のではないかということです。

グローバル化といいますが、そうなればなるほど、
「自分さえよければいい」という考えは成立しづらくなります。

自分の周りがインフルエンザにかかっていれば、
自分だけが健康いられるという場面は原理的にありえないことで、
いずれ必ず自分もインフルエンザにかかってしまう
わけで、
北朝鮮が自立して、自国を運営することができるようになるまで、
援助をするというのが近道だと私は思います。

アメリカに国防を頼っている時点で、
日本が自立した国家と言えるかどうかはわかりませんが、
国の自立を支えるのは国民一人一人の力であり、
国というものが常に安定的に存在しているわけではないのに、
あまりにも、国に頼りすぎている要素が多すぎるようにも思います。

国の安定は国民一人一人が作り上げるものであり、
何か自然にできあがっているような錯覚にも陥りがちですが、

全くそんなことはなく、是非、この機会に、日本の在り方についても、
国民レベルで、多くの意見が出され、日常の話題にも登るようになれば、
当然、選挙へ行く人数も増え、より自立した国家を形成できるようになるのではないかと思います。

残念ながら、北朝鮮に援助したとしても、上層部が肥えるだけで、
国民の末端まで行き届かないのではという心配があります。
外交的にこの点について条件提示するなどの手段が
講じられるのかどうかは私にはよくわかりません。
ご意見をいただきたいです。

それ以外の方法としては、中国もそうかもしれませんが、
自発的な民主化を待つのも手段の一つかもしれません。

民主化を誘発するための手段が
今回のノーベル平和賞であったとも思いますが、

いずれにしても、すぐに、どうのこうのという話ではないので、
より積極的な方法はないものか、もっと議論するきっかけにもなればと思います。

ご批判等、たくさんあると思いますので、
たたき台になるかどうかはわかりませんが、
よりよい方法が見つかれば幸いです。

どんな時でも感情的にならず、できる範囲で冷静に対応することが
大切ですね。

私自身は無党派層ですが、
社会党の元委員長の土井たか子さんの言葉(だと思うのですが)を
最後に載せたいと思います。

「平和なくして暮らしなし」