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慶応義塾大学病院の医師で、がん外来で23年間勤務されている近藤誠氏による新書です。
主張していることは、<がんの治療するな>の一点です。
もちろん痛みを和らげる緩和ケアや、肥大して本来の内臓の機能を妨げるほどになった
がんを最低限の放射線治療で処置して、生活の支障をきたさないようにすることは奨励しています。
なぜ<がんの治療するな>という結論になった要因として、所謂がんには「本物のがん」と「がんもどき」があり、幹細胞を持って転移する能力がある「本物のがん」であれば、それを治療して克服することは不可能であり、一方「がんもどき」であればほぼ転移することはないので、下手に手を出さなければ余命は延びるるとのことです。
それを現状の「がん治療」の現場では「本物のがん」であろうと「がんもどき」であろうと、抗がん剤や手術などのコストのかかることが優先的に行われており、、それらにおいては、患者さんに多大な負担を与えて、それによって余命が縮まるのみならず、その間も「死ぬほどの苦しみ」があるということです。
具体的に、先日亡くなった歌舞伎の中村勘三郎さんや梨本さん、逸見さんなどの事例が紹介され分析されています。
がんに対する手術や抗がん剤の投与などの治療は成功したが、その後のその治療による後遺症、抵抗力の衰え、感染症などの理由で数ヵ月後に亡くなってしまった経緯が書かれています。
つまり、治療をしたために余命を大きく縮めてしまった、ということです。
そんなバカのことがあり得るのか?
日本の医学は世界でもトップクラスではないのか?
逸見アナウンサーの死から20年近く・・・その後改善されていないのか?
と、ここまで読んで頂いた方は疑問に思うかもしれません。
でも、上記のことが事実であれば、我が国のがん治療の現状はかなり深刻だと言わざるを得ません。
そして、ここにブログとしてご紹介するということは、この『「余命3カ月」のウソ』の内容は、あまりにも知られていない重要な事実ではないかと強く感じたからです。
著者はすでに20年以上前から、雑誌媒体などで同じ趣旨や関連する内容を発表しているようです。
医師という立場からこのような<がんの治療するな>という主張は村八分になりそうですし、治療費も稼げませんから、利害を超えた使命感があるように思われます。
そこにはいかんともしがたい情報の非対称性に守られた「業界の利益」が、それこそ「本物のがん」です。
あちこちにすでに転移(「がん」の治療をネタに生活している医師や関係者は大勢いる)しているので、今さら摘出することはできません。
それでも著者は、「がん治療」によって苦しんだ上に余命を縮める患者さんを少しでも減らすべく本書を含めた執筆や、医療現場でも診察、治療を続けています。
家族がや友人、知人などががんと診断されたら、まずはこの『「余命3カ月」のウソ』を読ませるか内容を話して、慶応義塾病院の外来に行くことを強く勧めます。 (もちろん自分がなれば慶応病院に直行です)
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この『「余命3カ月」のウソ』はKKベストセラーズのベスト新書でありすが、同じような新書で生命保険関係であれば、残念ながらデタラメや偏向したもの、認識不足なものが多いのは事実です。
しかし、それらの大半は「FP」とか「評論家」などと言って現場を知らない輩の机上論者や、情報の非対称性をいいことにお客様を「思考停止」に導き恣意的な方向に誘導するものが多くあります。
ですので、自分の専門外や知らないことについては、立派な新書だろうとハードカバーだろうと、大手新聞だろうとなんだろうと眉に唾をつけて見なければならいないと思っています。
此方、著者は現役の医師として現場の最前線におり、その上で客観的な事実を示して読者にセカンドオピニオンの受け方まで具体的に指南しています。
また、ここで提示されている「がん治療」の問題点については「延命治療」や「尊厳死」などの問題に共通する面があり、一昨年の身内の事例から感じたこと、考えたことと重なる部分があったことで、この『「余命3カ月」のウソ』については「眉唾」とならないと確信してこの欄で紹介しお勧めする次第です。
<治療費をかけて体力を消耗して死ぬほど苦しい思いをして死んでいく>のと<辛くなるまで治療はせずに普段通りの生活を心がけてR.I.P(安らかに眠れ)>が同じ余命であればどちらがいいのか、の選択だと考えますがいかがでしょうか。