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ライフネット岩瀬新社長の久々のブログとやらを拝見させていただきました

»2013年8月14日
生保のトリセツ

ライフネット岩瀬新社長の久々のブログとやらを拝見させていただきました

しごとにん

10年余り生命保険業に所属し、一社専属の大手国内生保から乗合い代理店、保険ショップ運営を経験。現在は業界から距離を置き、俯瞰できる立場で個別相談や執筆活動を行っております。

当ブログ「生保のトリセツ」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/shigotonin/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


ネットによる選挙活動が解禁された先の参議院議員選挙でも明らかになったことは、ウェブの力は既に顧客(支持者)である人たちとの関係を深めることにあり、新たに顧客層を広めることではない、ということである。

これは、ライフネット生命のマーケティング活動をやっていても、日々感じることである。

そもそもネット(ソーシャルメディア)は面白い話題、人に伝えずにはいられない話を拡散することはできるが、つまらないコンテンツを面白くすることはできない。その意味で、政治活動やら生命保険やら企業の商品情報やらがネット上で大いに話題になることは難しい。 そして、多少ネット上で話題になったとしても、ほとんど実際のビジネス、消費者の購買行動や有権者の投票行動には影響がないのである。(後略)

いきなり抜粋させていただきました。

まず選挙と生保を一緒に論ずる意味が分かりません。

いや、分かりました。
赤字拡大の言い訳のためですね。
「参議院選挙の目論見もはずれたのだから、俺たちがはずしても仕方ないよね」ってことで。
さすが優等生は言い訳も一流だすな。

「つまらないコンテンツを面白くすることはできない。その意味で、政治活動やら生命保険やら企業の商品情報やらがネット上で大いに話題になることは難しい。」ということは「つまらないコンテンツ=生命保険やら」になりますね。(「やら」って何だ?)

それならば「つまらないコンテンツ」である生命保険の仕事を敢えてやらなくてもいいのではないか、と根本的なところで突っ込みたいところです。

面白くできない「つまらないコンテンツ」をネタに、各方面から大金を集めて上場される能力があるのですから、それをもっとほかの「面白いこと」にご活用されては如何でしょうか。

このブログを書いた時点で、生命保険という「つまらないコンテンツ」を面白くしようとしたけどできなかった、あるいは、面白くしたつもりだけど一般庶民には高尚過ぎて理解が得られなかった、とお感じになられているのでしょう。

まぁ、どちらでもいいのですが、ライフネット生命において生命保険を「つまらないコンテンツ」から面白いコンテンツにしようとする努力は全く見られませんし、やっていることは肝心なことを端折ってシンプルに見せかけて消費者や投資家を思考停止に陥れているだけです。

肝心要、一丁目一番地の死亡保障にて「10年更新」を推進していることが、もはやお話しになりません。

これだけ保険ショップが乱立し、WEB上での情報が氾濫している状況で化石のような「更新型」を合理的と言って販売推進しているのはもはや"ギャグ"の域に達しています。

まともな生保業界人いから見れば、ライフネット生命がやっていることは「『つまらないコンテンツ』を更につまらなくして、安くしたように見せかけて無駄な広告宣伝費をかけて売っている」でしかありません。

四半期決算で赤字拡大となり、岩瀬社長が思わず本音と思われる「つまらないコンテンツ」というのが出てしまったのですね。

そして「面白くできない」という形容詞まで付けてしまって御苦労さまです。


・・・新規顧客拡大ではなく、既存顧客(あるいは強い関心のある見込み顧客)との関係を深めるという前提で使いこなすべき、ということを言いたいのだ。ソーシャルメディアを通じた顧客拡大をうたう広告代理店の営業には注意しましょう。(後略)

つまり、広告代理店の言う通りやって失敗した負け惜しみですね。
お気持ちは分かります。

それならば、ライフネット生命はこれからどうやって行くのでしょう。
ネット専業からの脱却か、それとも私たちが想像もつかない戦略・戦術があるのでしょうか。


繰り返しますが、ライフネット生命がやっていることは「『つまらないコンテンツ』を更につまらなくして、安くしたように見せかけて無駄な広告宣伝費をかけて売っている」だけですので、そもそもこの議論の前提が間違っています。

どういうことかというと、生命保険、ここでは死亡保険を差しますが、面白くなるかどうか別にしても全く違った「正しい」コンテンツがあり、それを工夫してお金もかけて大々的にネット上で販売促進をして失敗したのであればいいのですが、そもそもコンテンツが劣悪で「正しくない」ので、ネット云々以前の問題だということです。

つまり、大前提となるコンテンツ(商品)が正しくないので、WEBがどうのこうの、マーケティングがああだこうだと言っても全く意味がありません。

消費者はバカではありません。
というかバカにしてはいけません。

劣悪で「正しくない」コンテンツなどほとんどの方が見抜きます。

ですので、ライフネット生命の伸び悩みは、メディアのせいではなく「正しくない」コンテンツにあるのかもしれないのです。

仮に「正しいコンテンツ」で同じお金と手間暇かけても同じ結果であれば、岩瀬社長の言うとおりかもしれませんが、コンテンツ自体が"ギャグ"であれば検証に値しないことになります。

素晴らしいプレゼンでもって多大な資金を集めて上場して時代の寵児となった岩瀬社長ですが、一番肝心な自社のコンテンツに関心が薄すぎるのは極めて残念です。

死亡保障における「正しい」コンテンツは、「見積り10秒」とか「更新型は合理的」とか言っているうちは永久に見えてきません。

そこをスルーして<選挙と生命保険をくそみそ一緒にしたような本質を欠いたネット集客論>は、前提が間違っていると言わざるを得ません。

ライフネット生命って、自社で基本的なマーケティング(他社比較とか販売チャンネルの実態調査とか)をしないんですかね。

あ、だから広告代理店にやられちゃうんですね。