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本当は極めてシンプルな「必要保障額の算出」3

»2011年1月28日
生保のトリセツ

本当は極めてシンプルな「必要保障額の算出」3

しごとにん

10年余り生命保険業に所属し、一社専属の大手国内生保から乗合い代理店、保険ショップ運営を経験。現在は業界から距離を置き、俯瞰できる立場で個別相談や執筆活動を行っております。

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前回まで「生活保障額」と「教育費」についてお話しました。
巷のFP(ファイナンシャル・プランナー)の方々が算出する方法よりかなり
シンプル(大雑把?)ではないか、と思われた方がいると思います。

そうです、大雑把です。

FPに限らず、主に外資系やカタカナ系などの男性営業マンはもっと細かく
どうでもいいようなことを聞いてきます。
たとえば、現在の預貯金額や、年収、退職金見込み額、お子様は大学まで進学
させるのか、国公立か私立か理系か文系か・・・などなど

大きなお世話と感じるのは私だけでしょうか?

預貯金なんてあってもすぐなくなりますし、年収はまあいいとしても退職金の
見込み額なんて国家公務員でもさえも見通せないご時勢です。
小学生の子供の進路なんて、まったくの夢の世界ですね。

「私立の文系の大学に進学したらこのぐらい費用がかかる」と提示するのは
いいとしても、これらをヒヤリングして「ニーズ喚起」され過ぎると敵の思う
壷です。

ヒヤリングしなくてはならないのは、毎月の生活費と持ち家か賃貸かなどの
住宅の状況です。
(住宅ローンか家賃かによって「生活保障額」は大きく変わります)

もっともらしく「預貯金があれば必要保障額はその分減らせます」とか「物価
上昇率を加味して・・」とか「快適な老後のために65歳までに3000万円必要です」
など面倒くさい話を持ち出して、「キャッシュフロー表をつくりましょう」とFPや男性営業マンは迫ってきます。
これらは単なる儀式のようなものであり、「ここまでやってくれるのなら」とか
「こんな複雑な計算は専門家でないと無理だ」と思わせることが目的であると
しか思えません。(飽くまで個人的な見解です)

まず、すべてを生命保険で担保するのはナンセンス(販売側としては理想ですが)
であり、担保するとしてもあまりにも変動する要素が多い事柄を「高め」に見積もって
必要保障額を算出して「ニーズ喚起」するのはどうかと思います。

普遍的な要素や数字だけを鑑みて、必要最低限の保障があれば充分です。
お子様の年齢(独立するまでの期間)は決まっていますので、その部分の生活費や
教育費を一番少ないコスト(保険料)で付保できればいいのです。

はじめから「生命保険は必要だ」と思って「ニーズ喚起」されると、すべて
生命保険で賄わなければいけないような錯覚
に陥ってしまう
恐れがあります。
腕扱きの営業マンはその方向に誘導すると思った方がいいです。
遺族年金や教育費などの判断材料は必要ですが、「そもそも生命保険は必要なのか?」
と自問して、それでもここは必要だ、このコストならあってもいいかな、と
適切に判断することが肝要です。

次回に続きます。