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「ささやかな資産運用」としての終身保険

»2011年2月 4日
生保のトリセツ

「ささやかな資産運用」としての終身保険

しごとにん

10年余り生命保険業に所属し、一社専属の大手国内生保から乗合い代理店、保険ショップ運営を経験。現在は業界から距離を置き、俯瞰できる立場で個別相談や執筆活動を行っております。

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終身保険を舐めてはいけません、で前回終わりました。
さて、反論・・なのですが、その前に終身保険の種類をお話します。
少々専門的ですが、大事なことなのでなるべく分かりやすく書きます。


1.有配当、利差配当終身保険(主に従来の大手国内生保)
 ・・・保険会社の運用した配当を規定によりお客様に還元する。

2.無配当終身保険(主に外資系)
 ・・・配当は出さない代わりに保険料を多少安くしている。

3.積み立て利率変動終身保険(カタカナ系、損保系の一部)
 ・・・市場金利が著しく上がった場合に解約返戻金や死亡保障に
    上乗せがある。
    市場金利が下がった場合に下振れすることはない。
    保険料は概ね上記2つより安い。

4.低解約終身保険(主に損保系生保)
 ・・・支払期間中の解約返戻金が従来のタイプより3割程度少ないが
    保険料も同じぐらいに抑えられている。
    支払が終了した時点で支払い総額程度の解約返戻金があり、
    それ以降解約返戻金は増え続ける。

5.変額終身保険(カタカナ系、外資系の一部)
 ・・・終身保険の衣を被った投資信託。
    中身の投資信託の運用によって保険金と解約返戻金が変動するが、
    死亡保障は契約時の金額が最低保証となる。
    保険料は終身保険の中で一番安い(例外あり)。

上記を読んだだけで「現在の低金利の時に、長期間利回りを固定する終身保険はやめた方がいい」というご意見が頓珍漢なのが分かっていただけるかと思います。
当てはまるのは「無配当(終身保険)」だけで、正直今流行らないヤツです。
「有配当・利差配当」というのも怪しいですが、理論上全くの固定ではありません
ので、将来景気が良くなってインフレになったら一応配当が出る可能性があります。

ごくたまにですが(それでも思ったより多く)、FP(ファイナンシャル・プランナー)
や経済評論家と名乗る専門家の方が、なぜか生命保険に関して、ボケて突っ込んで
欲しいとしか思えない発言がや著述があります。
「終身保険は長期固定」・・・それはそうなんですけど、今はいろいろあるんです。
著名で経済専門誌や大手新聞に書いているような方でも、基本的な保険用語を平気
え間違えていたり、「生命保険の通販は安いので・・・」と安易に云い切ったり、
結構突っ込みどころがあります。

脱線しました。
現実的な商品としましては1(有配当・利差配当)や3(積み立て利率変動)の単独、
1と4(低解約)のミックスや3と4のミックス、5(変額)の単独が出回っています。
一番堅く行くには3(積み立て利率変動)ですが、保険料を抑えて早期解約のリスク
を取るのであれば3と4のミックスですね。
しかし、一番お勧めするのは5(変額終身保険)です。
実は自分とカミさんはこれに加入しています。

「終身保険の衣を被った投資信託」ですからリスクはあります。
でも保険料は一番安いし、死亡保障は最低限保証されているからいいじゃないですか。

えっ!それだけでは納得いかない?
そうですね、「ささやかな資産運用」のお話しでしたね。
ささやかですがボディブローが効ききそうなお話を次回させていただきます。

追記
少々分かりづらくなってきたかもしれません。
不明な点はコメントを入れていただければ幸いです。
ご自分が加入されているのがどの種類なのか、分かればいいと思います。