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「三大疾病」今昔物語

»2014年7月 7日
生保のトリセツ

「三大疾病」今昔物語

しごとにん

10年余り生命保険業に所属し、一社専属の大手国内生保から乗合い代理店、保険ショップ運営を経験。現在は業界から距離を置き、俯瞰できる立場で個別相談や執筆活動を行っております。

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「三大疾病」という言葉は皆さん聞いたことはあると思います。
「がん」「心筋梗塞」「脳卒中」を指しますが、日本人の約7割程度が罹患するといわれている病気のことです。

多くの方々が加入されている、日本の伝統的生命保険会社の所謂「定期付終身保険」や「アカウント型」における特約山盛りパッケージ商品では、ほぼもれなく付いてきます。

始まりは、旧アリコジャパン(この7月から「アリコジャパン」から社名変更となった「メットライフアリコ」が、再び社名変更にて「メットライフ生命保険」となり、「アリコ」の名前がこの世から消えてしまいました。少々寂しいですが、加入されている保険商品や保障内容に変更はございません)が「エトワ」という単品の「三大疾病兼死亡保障」の商品を出し、その他外資系やカタカナ系の保険会社も追随して現在に至っております。

日本の生命保険会社におきましても追随して、単品も一部ありますが、主力は「三大疾病特約」という形で「定期付終身保険」や「アカウント型」に付加して販売しているわけですね。
※「三大疾病」のほかに「特定疾病」「重大疾病」「成人病」などと表記されることがあります。

例えば、200万円の「三大疾病」の保障に加入したとすると・・・

・死亡保障200万円
・「がん」と診断されたら200万円
・「心筋梗塞」になったら200万円
・「脳卒中」になったら200万円

と、ある国内生保のホームページに掲載されていました(今はどうだか分かりませんが)。

この内容はウソでありませんが、かなり誤解を招く表現であり、多くの消費者の方々はこのまま解釈していると思いますが実際は・・・

・死亡保障200万円・・・・・・・・・これはこのままでいいでしょう
・「がん」と診断されたら200万円・・ただし、「上皮内がん」は対象外
・「心筋梗塞」になったら200万円・・ただし、60日以上の労働制限が必要と診断された場合
・「脳卒中」になったら200万円・・・ただし、60日以上の後遺障害が認められた場合
・給付は1回限り

つまり、場合によってはかなり微妙な「ただし」書きがあり、三大疾病になったからといって必ずしも200万円もらえるとは限らないのです。
※「60日以上の・・」という制限を「60日ルール」と業界ではいっております。

また、これは「もらえると思っていたけどもらえなかった」という「がっかり」なケースとなる可能性があり、販売の現場ではお勧めしないどころか、個人的には身体を張って止めていたほどです。

ここまでが、つい最近のことでありますが昔話です。


そして「今」ですね。
「三大疾病」の保障はどちらかというと推奨しております。

同じ「三大疾病」でも、ある特定の入院保険の特約とすることで、かなり内容がグレードアップしているするものが最近出ています。

・死亡保障はなし(その分保険料は安くなっている)
・「がん(上皮内がんを含む)」と診断されたら200万円
・「心筋梗塞」で入院したら200万円
・「脳卒中」で入院したら200万円
・給付から2年経過すれば回数は無制限

つまり、微妙な上皮内がん規定や「60日ルール」は適用されず、さらに複数回給付となっており、「がっかり」保険になる可能性はかなり低いと判断します。

保険料的には、この数ヶ月の改定(各社昨年秋からこの春までに医療保険をリニューアルしています)で、かなり安くなっており、上記も死亡保障付のものと比較すると半分以下となっています。

ざっくりとした比較ですが、がん保険単品のミニマムの保険料で、三大疾病の同程度の診断一時金を担保できることになります。

統計的に日本人の約半分はがんになると言われ、三大疾病を含めると約7割が罹患するとされていますので、「入院すれば給付」、さらに「複数回(回数無制限)給付」となれば、使わない手はないと思います。

まとめると、昔の(今も存在しますが)「三大疾病」保障は、保険料が高い上に給付されるかどうか微妙であり、給付されても1回こっきりでしたが、今の「三大疾病」保障は、保険料がリーズナブルになり、「入院すれば給付」と基準が明確で、給付される確率的にもかなり高くなり、給付も複数回となったのでお勧めします、ということです。

この内容の商品は、かなり限られた保険会社の取り扱い(後々追随するところがあるかもしれません)となっているので、ご興味がある方はお問い合わせ下さい。

下手に通院特約を付加したり、三大疾病の入院日数を増やすよりも、シンプルに「三大疾病で入院したら一時金がもらえる特約」を一発かましておいた方が合理的ではないかと思いますが如何でしょうか。 

追記

見直しの実例を挙げます。

数年前に終身医療保険で「日額5千円で一入院120日、三大疾病でさらに120日延長」というタイプに加入されてた50歳代の女性のケースですが、同じ終身医療保険で「日額5千円で一入院で60日、三大疾病一時金50万円」に見直しましたが、保険料はほぼ同じとなりました。

入院日数が短くなっている昨今、既存のもののようにかなり長期で入院しなければ給付が増えないものを、三大疾病限定ですが一時金でカバーすることができます。

例えば、がんで数日入院して後は通院で治療となった場合でも、その費用は交通費なども含めて一時金の50万円で賄える、ということですね。