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少々不謹慎なお話しになるかもしれませんが、生命保険販売の現場で今回の原発事故
における放射線物質漏えいに対してがん保険や三大疾病保障の販売促進をかけてくる
可能性があります。
ほぼ間違いなく将来の発がん率は多少なりともアップすると想定されますので、保険
会社および代理店においては理にかなったことではあります。
がん保険についてはほとんどの方がご存じのように、がんに罹患した場合には診断
給付金が一時金としてもらえて入院についても1日○○円の給付などの内容です。
三大疾病保障(保険会社により特定疾病)とは、がん、心筋梗塞、脳卒中について
一時金があり、入院の特約として日額の割増や給付対象の日数が延長されたりします。
(通常の入院保障は一入院について60日までの給付でも三大疾病なら120日に
なる、など)
そこで今回は、がん保険における「90日ルール」と三大疾病保障における「60日
ルール」を見ていきます。
「放射線物質が蔓延してくるのか・・・がんになる確率が高くなりそうだ」と感じて
がん保険に加入したとします。
健康状態は問題なく、1回目の保険料を支払ってがん保険の契約が成立しました。
「契約も成立したことだし、ついでにがん検診でもすぐに受けてみるか」
と健康状態に対して意識が前向きになり、すぐにがん検診を申し込み直近の日程で
受診しました。
こんなことは絶対にしてはいけません。
万一この検診で初期がんでも見つかった場合、契約したがん保険は解除され、ほとんど
の場合二度とがん保険に加入できません。
保険契約が成立したのになぜ?と思われるかもしれませんが、がん保険には「90日
ルール」(勝手に命名していますが)があり、成立後90日間は免責つまり保障が効か
ず、その間にがんに罹患していることが分かった場合契約解除になることが明文化され
ています。
つまり「執行猶予90日」みたいなもんです。(チョット違うかな)
がん保険に加入する方に必ずこうアドバイスしていました。
「成立後90日は絶対がん検診や人間ドックを受けないでください」
もちろん著しい自覚症状がある場合は別ですが、何もなければその90日間でわざわざ
痛くもないおなかを探ることはありません。
それともうひとつ大事なことがあります。
がん保険の切り替えについてです。
通常の生命保険や入院保険であれば、切り替えの場合約1カ月ダブらせれば保険期間
の空白をつくらないで済みますが、がん保険については「90日ルール」があるため
保険期間の空白が大きくなります。
特に死亡保障や入院保障の特約でくっついているがん保障は厄介で、がん保険の部分
だけ残して延長することは不可能なので、どうしても新契約との間に空白期間ができ
てしまいます。
90日で約3カ月空白ができる計算になりますが、初回保険料支払い時期の工夫に
より2カ月程度に空白をとどめて、上記と同じようにがん検診や人間ドックは受け
ないようにお話して、空白のリスクを理解してもらうしかありません。
ちなみに、1回がんと診断されるとがん保険に加入できるチャンスは"完治してから
10年後"(アフラックの場合)となります。
保険会社によってはほぼ不可能というところもあります。
現在、保険契約をする際に「重要事項の説明」が義務化されており、この「90日
ルール」については説明がなされると思いますが、「その期間に絶対がん検診や人間
ドックを受けないでください」とアドバイスするなどと余計な(?)おせっかいを
する営業担当者は少ないようです。
「60日ルール」については次回お話します。